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[知的財産]実用新案の登録

 Q 実用新案登録は、無審査なので出願すれば必ず登録されるのでしょうか。

 A 実用新案制度においては、早期登録の要請から、出願内容が以前から知られていない新しいものか(新規性)や公知技術をヒントに極めて容易に考え出せたものではないか(進歩性) といった実体的審査(実体的な登録要件の審査)を経ることなく登録されます(無審査主義)。

 しかし、(1)出願手続が法に定められた方式に違反していたり、(2) 実用新案制度が対象としない内容について実用新案登録されたり、実質的に出願書類の体をなしていない出願がそのまま登録されることは、混乱を生じる等の問題があります。これを防止するため、実用新案登録出願は、上の(1)に対応した方式審査と、上の(2)に対応した基礎的要件審査と、を行い、これらいずれか一方でも満たさないものは登録されません。

 方式審査は、出願人の手続能力の有無、出願書類が法に定める様式に違反していないか、そして料金が納付されているか等といったことについて審査します。

 基礎的要件審査は、次の①~⑤に関し審査します。

 ①保護対象違反(出願内容が、物品の形状、構造又は組合せに係る技術的アイディアではないとき)

 ②公序良俗違反(出願内容が、公の秩序、善良の風俗又は公衆の衛生を害するおそれがあるとき)

 ③実用新案登録請求の範囲の請求項の記載様式違反(例えば、請求項は、各請求項ごとに番号を付し、その番号は、請求項を記載する順序に従い連続番号とすること)

 ④単一性違反(一の出願に含めることができない複数の内容を含めて出願しているとき)

 ⑤明細書、実用新案登録請求の範囲又は図面の著しい記載不備(出願書類に必要な事項が記載されておらず、またその記載が著しく不明確であるとき)

 これら方式又は基礎的要件を満たしていないと各々の審査において認められた出願に対しては、特許庁から補正命令がなされ、その補正命令に従わない場合には、出願手続が却下されます(登録不可)。このように登録を受けるには、方式及び基礎的要件を満たした出願をすると共に、補正が命令された場合はそれに従うことが重要です。

本誌:2015年10.12号 22ページ

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