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病気からの回復

 思いがけず岡山市立市民病院に1週間入院するという貴重な体験をしました。恐怖の骨髄穿刺の結果は異常なし、高熱、発疹、白血球の減少等体調不良の原因は何らかのウィルスによる感染症が疑われました。何に感染したのかは不明のまま快方に向かい退院となりました。

 インフルエンザやHIV等の感染症に対してはある程度有効な薬が実用化されていますが、現代においてもほとんどのウィルス感染症は自分自身の体力(免疫力)で治すしかないそうです。

 私の場合も2、3種類の抗生剤を点滴されたのですが効き目がないのですぐに打ち切りになり、病院での生活は夜になると決まって熱にうなされ、身の置き場のない苦しみの連続でした。入院生活の大半は熱が出れば解熱剤とアイスノン、寒気がすれば毛布を重ねて震えて耐えつつ、少しも針が進まない時計を深夜空しく見つめる日々でした。

 不安と不眠、体のいたるところが痛くだるい中での唯一の気晴らしはスマホでした。ちょうど沖縄在住の友人がヨーロッパ旅行中で時差の関係で深夜2時3時にメールで会話できたのはありがたかったです。否、ありがたかったというより友人は苦しさにあえいでいる私をからかって楽しんでいたのかもしれません。

 「葬式には時間を作って沖縄から行くから……」などと言ってくる。私はむっとして「葬式なんかしないし戒名もいらない、遺産は12匹の猫に遺言する」と言い返す。それでもやつは「それなら生前葬はどうか?」などとしつこい。

 腹立ち紛れにそんなやりとりをしていたら明け方になってやっと眠りが訪れたものです。幸い死ぬこともなく入院生活は1週間で終わりました。

 さて、そんな入院生活を体験した岡山市立市民病院ですが、新築まもないぴかぴかの病院ながら気になったこともありました。一番嫌だと感じたのはトイレです。10ほどの病床に対しトイレが1つしかないのです。しかも男女共用の個室のみ。

 ごみ箱に使用済みの生理用品があふれた光景は見たくなかったです。また女性にしても、私のようなむさいおっさんが出てきたあとのトイレに入るのはさぞ嫌でしょう。病棟のトイレはやはり男女別にしてもらいたいと切実に思いました。

本誌:2015年10.12号 13ページ

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