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連載記事人材育成のタネ 8

人材への投資は、5年後大きな差に

  • 竹本幸史氏

 企業の「付加価値をつけるための投資」を考えたとき、さまざまな項目が対象になります。私は「人材への投資だけは無駄にならない」と断言できます。人を育てるという投資は、成長率が予想通りでなかったとしても成果がゼロということはありません。時には相手が思うようには育ってくれないこともあるでしょう。でもそれでいいのです。人材育成とは本人の可能性を引き出すことです。また、人と組織が学んでいく力次第で、5年後に5倍、10年後に10倍の成果をあげることも可能です。

 では大きな成果をあげる「学ぶ力」とはどういったものなのでしょうか。単に講座やセミナーに出席して知識や経験を得ただけでは、組織としての力にはなりません。まずは弊社でも提供しているビジネスマネジメントスクールで得たビジネス理論の実践です。次に、そこから得たことを語る「教訓」。ここまでは実践している企業も数多くあります。しかし次に実施してもらいたい反復、つまり継続実践になると数が減っていきます。そして、スキルをナレッジ化する「原則」、全員での「共有」、後輩への「伝承」です。優れた学びは次のステップに進むと自然にその先が開けていきます。最終的には学び方そのものを見直して、より良いものに刷新し新たな「実践」へとつながっていきます。このサイクルが稼働することで、10倍の格差への道筋が見えてくるのです。

 このサイクルを常に稼働し続けるために必要なポイントがモチベーションの維持と向上です。特に、経営者が明確な展望を持つことが重要です。将来に向けたステップとして、社員に具体的な成長がイメージできる目標を示すことが大切です。人が組織の中で充実感を味わうには、周囲に認められることです。企業の中で設定された役割に沿って、自分の目標を持ち、それを達成し、成長したと感じる。そして他者にその成果を認めてもらうことで、自分の存在を強く実感し、新たな役割に向かって前進できる。このサイクルが人と組織を活性化させるのです。

●竹本幸史● 元㈱リクルート岡山支社長。現在は人材育成を主としたコンサルティング業務の㈱SWITCH WORKSを立ち上げ奔走中。くらしき作陽大の非常勤講師も務める。またリーダー養成スクール「法人会員制・定額制ビジネススクール」を開講中。

本誌:2014年8.25号 13ページ

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