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連載記事杉山慎策の経営学考察

国富論を読む9 自然価格vs市場価格~LSDの法則~

 スミスは、自然価格とは、商品の生産に必要な全ての費用を賄うのに十分な価格であると定義している。自然価格は、以下の三つの主要な要素によって構成される。

 ・労働者の賃金:商品の生産に必要な労働者に支払われる賃金
 ・資本家の利益:資本家が事業経営に投入する資本に対して支払われる利益
 ・地主の地代:土地の所有者に支払われる地代

これらの三つの要素が適正な報酬を受け取ることによって、商品の生産が持続可能になる。

 次に、市場価格とは、特定の時点で市場において実際に取引される価格を意味する。市場価格は需要と供給の影響を受け、自然価格とは異なる場合がある。需要が供給を上回ると価格は上昇し、供給が需要を上回ると価格は下落する。この市場価格の変動は、短期的な現象であり、長期的には市場価格は自然価格に収束する。

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本誌:2024年8月5日号 23ページ

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