WEB VISION OKAYAMA

連載記事社説

自らの意志で現状を「変える」

 岡山市北区表町の千日前地区に、岡山芸術創造劇場ハレノワがグランドオープンして間もなく1カ月。こけら落としイベントの盛況ぶりもさることながら、商店街関係者によると、新西大寺町からハレノワへ向かう筋を中心に人通りが増え、周辺の飲食店にも波及効果が見られるなど、滑り出しはひとまず順調のようだ。

 約400年前、商人の町として旧山陽道沿いに形成された表町商店街一帯は、長く岡山の政治・経済・文化の中心地として栄えた。岡山で生まれ育ったわれわれにとって、子どものころ何よりの「ハレの日」は母親と行く天満屋での買い物であり、映画や書店、高校時代に初めて入った喫茶店、ラーメンやカツどんの有名店など、「表八カ町」ごとに思い出の店がある。

 ところが、バブル経済が崩壊したころから岡山駅前へのシフトが顕著になり、表町の衰退が進んだ。にもかかわらず、成功体験のあるベテランや、高齢で商売への意欲を失った店主・家主も多く、危機感を募らせる若手経営者とはなかなか歩調が合わないという課題があったのだが、ハレノワオープンに合わせるかのように、これまでにない取り組みも見られる。

会員申し込みはこちらから

本誌:2023年10月2日号 22ページ

PAGETOP