ここ2、30年ジェンダーに関する問題が何かと話題になってきました。体とこころの性の不一致問題では生理学的、心理学的なアプローチからの考察が進展し、今では社会的にも一定の認識が広まってきたように思います。すなわち、ジェンダーは人それぞれ、100人の人がいれば100通りのジェンダーがあるという見方。昔のように単に男女に2分すれば事足れりとはいきません。

　こうしたジェンダー問題は学校や企業官庁等での施設管理問題にまで発展し、トイレの使用をめぐって最高裁にまで判断を仰ぐような事例も発生しています。幸い私は一人暮らしの後期高齢者。我が家のトイレをどう使おうが勝手きまま、したいようにして誰からも文句は言われません。

　しかしそうはいっても問題もあります。夜中の頻尿です。男性は遅かれ早かれ前立腺肥大症というやっかいな症状と付き合う運命にあります。さっきトイレに行ったのにもうまたすぐ！これでは寝られません。父は自分のベッド脇にシビンをいつも置いていました。漢字で書くと「尿瓶」。字面を見るだけで不潔でおぞましい気分になります。まして老人のシビンともなると。

会員申し込みはこちらから