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連載記事山田響子の魅力を引き出すコミュニケーション術

理解促進する因数分解のサポート

 部下や後輩を指導する立場になったなら、ダメ出しをしたい、しなければならないことは少なくないでしょう。中には「何度言っても伝わってない」「前も言ったのに、まただ」と失望した経験をお持ちの方も多いのではないしょうか?そんな時、部下の無能さを嘆きたい、普通は分かるだろうと常識を疑いたい気持ちになってしまいますね。

 でもぜひ自問していただきたいのです。あなたのその指摘やダメ出しはきちんと相手にリクエストとして伝わっていますか?ほとんどの方が、ちゃんと言ってる!と心の中で即答されたことと思います。しかし、もう一度自問していただきたいのです。本当にリクエストが伝わったのかということを。

 「これこうしちゃダメだよね、今度から気をつけてね」「もっと早くから取り組んでおけばこんなことにならなかったよね、次はしっかり計画的にやろう!」

 そんなご指摘は、伝え手側からはリクエストが含まれていると思ってしまいます。しかし、受け止める側である部下や後輩はあなたと同じ視座にいないのです。時々、新人や部下であるのに高めの視座を持っていて、指摘を伝えれば望むレベルの改善ができる方もいます。みんながこうだったらどれほどいいかと思わざるを得ませんが、それはその方が上司の望む視座を持っている優秀で希少な人材なのです。

 あなたが社長であれば、見ている景色は頂上から。あなたが部長であれば6合目から。3年目の指導係であれば3〜4合目でしょうか?見えている景色が違うのです。だから、伝えたはずの指導の本意が受け止められないのです。

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本誌:2023年6月12日号 17ページ

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