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連載記事賢い補助金の活用法

雇用調整助成金

  • 鈴鹿和彦氏

 岡山県よろず支援拠点とVISION岡山のコラボ連載企画「賢い補助金の活用法」。今回は新型コロナウイルス感染症の拡大で厳しい経営環境にある事業者が、従業員の雇用を継続するため休業手当の一部を国が補償する「雇用調整助成金」を取り上げます。

 厚生労働省は、2020年4月1日から「雇用調整助成金」の特例措置を拡大すると発表しました。新型コロナウイルスの感染拡大で影響を受けた事業者に対して、会社側の責任で労働者を休業させた場合に支給される休業手当の一部を国が補償することで、従業員の雇用を継続していくことが目的です。

 この制度について、「給料の9割が補償される」という情報が広まっていますが、これは誤りです。事業主が従業員に支払った休業手当の9割が支給される制度で、従業員の一人当たり8330円を上限に事業主に支給されるもので、個別の従業員に支給されるものではありません。

 ■制度設計 具体的に「雇用調整助成金」とは、「経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされた事業者が、労働者に対して一時的に休業、教育訓練又は出向を行い、労働者の雇用の維持を図った場合に、休業手当、賃金等の一部を助成する」ものです。分かりやすく言うと、雇用を維持してもらう目的で、国が事業者が支払った休業手当などの一部を助成する制度です。

 国家的な非常事態である今回は、新型コロナウイルス感染症の拡大により、特例措置として2月に助成金の支給要件が緩和され、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた全ての業種が助成の対象になり、更に、4月1日から6月30日にかけて、もう一段階の拡充措置が行われました。

 具体的には、従来は、売上高や販売量、生産量など、「生産指標」が、「3カ月で10%以上低下」が条件でしたが、「1カ月で5%以上低下」と緩和されました。当然、国の助成金ですので、事前に提出が必要だった休業計画書なども、休業実施後に提出すれば良いなどの配慮があります。また、上限があった支給日数も特例措置の期間中はカウントしないこととなりました。

 ■支給額 支給される助成金額は、4月の拡充にともない助成率も上がっていて、対象となる企業には、休業手当などのうちから、中小企業で4/5、大企業が2/3が助成されます。なお、一人も解雇をしていない事業主には、助成率が上がり、中小企業で9/10、大企業で3/4となりました。助成される金額には上限があり、対象になる従業員一人あたり最大で8330円ですので、従業員10人を1日休業させた場合、最大で1日8万3300円まで助成されます。

 厚生労働省によると、従来は、申請から2カ月以内の支給が基本だったようですが、新型コロナウイルス感染症の被害拡大に伴い、事業者の「資金繰り」に配慮するために迅速な対応を検討しているとのことです。

 なお、この記事は、4月20日現在のものですが、今後、「雇用調整助成金」の特例措置により、助成率や上限の更なる拡大が行われるとの情報もありますので、随時、当拠点から厚生労働省の情報を発信していきたいと考えています。

本誌:2020年GW特別号 9ページ

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