WEB VISION OKAYAMA

企業・事業紹介エスココーポレーション

中小規模製造業のIoT化支援 低コストで可視化し生産性改善

 電気通信工事の㈱エスココーポレーション(岡山市北区今4-15-33、北山秀典社長、資本金4996万円)は、中小規模製造業向けに、さまざまなセンサーの活用で製造状況を見える化して生産性の向上を支援するIoT(モノのインターネット)化サービスを提案している。

 製造現場での課題や要望をヒアリングし、解決策を一緒に考えシステム構築や機器構成を提案するスタイル。センサー類は、市販されているものを仕入れ、サーバーへデータを送る送信機は乾電池式のものを採用。設置には両面テープや結束バンドを使うなど導入企業でも取り付けられるようにした。電気通信工事のノウハウを生かし施工までを請け負うことも可能。サービス名は「IoTのミカタ」。

 IoT事業化のきっかけは、2018年に自動車用ゴム部品製造の丸五ゴム工業㈱(倉敷市)から共同開発を持ち掛けられたこと。従業員が生産性を意識して働けるよう、物体が近づいたことを検出する近接センサーを製造ラインに取り付け、リアルタイムで生産個数をモニターに表示する仕組みを導入。生産目標数に対する達成率やサイクルタイム(1個当たりの生産にかかった時間)を可視化したことで生産管理者が分析、進捗確認できるようになったほか、作業員の時間意識も変わってきたという。また、ラインが停止した際に光るパトランプの色を光センサーで検知して表示するほか、ボタンを押すだけで現場責任者に連絡を送り、復旧までの時間を削減する「緊急呼び出しボタン」も開発し導入した。

 モニターを通じて、全員が問題点を情報共有できたことで、効率の悪い作業の見直しなどを行い、サイクルタイムを43%短縮できた部署もあるなど成果が出てきており、導入から4カ月間で約150万円の経費削減につながったという。導入費用は約500万円。取り組みが評価され、昨年の「おかやまIT経営力大賞」で大賞を受賞した。

ICタグでの効率化も提案

 ICタグを中心としたRFIDタグの活用による業務効率化も提案。部品や機器などに貼れば工場や倉庫内のモノの動きを管理できトレーサビリティが図れるほか、名札に貼ることで勤怠管理など人の管理にも活用できる。北山社長は「IoTは敷居が高いと思われがち。低コストでの導入にこだわり、製造現場の効率化をサポートしたい」と意気込む。

会員申し込みはこちらから

PAGETOP