WEB VISION OKAYAMA

連載記事岡山消費者動向分析

キャッシュレス決済

 本年4月2日NHKのネット配信ニュースで、金融市場の新卒採用者数の激減のニュースが流れた。三菱UFJ銀行は新卒採用数を前年比45%減の約530人、みずほファイナンシャルグループも昨年から半減、三井住友銀行も10%減と発表された。この大きな変化はネット銀行の浸透で実際に銀行の店舗を訪問する顧客が激減したことと、スマートフォンの普及に伴うキャッシュレス決済の普及が原因とされている。銀行は90年代初頭のバブル崩壊後、大きな再編を経て大手都銀は3行になった。その後のリーマンショックも乗り越えたが、今回は再度大きな変化が押し寄せて来ているようである。

 キャッシュレスということに絞れば、ユーロモニターの情報によれば、2015年においてキャッスレス化は日本が18%に対して、既に中国では55%で、米国では41%である。しかも、決済サービスは無料で提供される。銀行の手数料で稼ぐビジネスモデルは変革が迫られている。政府も2025年までにキャッシュレス化40%を目標として掲げている。今回は岡山のキャッシュレス化についての意識調査である。

 日常の買い物・飲食などで利用する決済手段について、「現金」が岡山95.1%、全国91.7%で、それぞれ最も多い。「クレジットカード」は岡山81.6%、全国86.0%を占め、2位の決済手段である。岡山では、「商業系カード型電子マネー」(57.1%)、「交通系カード型電子マネー」(29.2%)に対し、全国では、「商業系カード型電子マネー」(48.8%)、「交通系カード型電子マネー」(43.1%)である。岡山で交通系カード型電子マネーの比率が低いのは公共交通のインフラが弱いことにその原因があると推定される。

 最もよく利用する決済手段については、「現金」が岡山52.4%、全国42.6%でともに1位で、岡山の方が9.8ポイント、全国を上回った。

 2位はいずれも「クレジットカード」で、岡山28.4%、全国40.0%であり、岡山は「クレジットカード」の利用も少ない。「商業系カード型電子マネー」は岡山14.3%、全国は8.3%で、岡山の大型商業施設の影響があると推測される。

 現金決済の多い人に何故現金を利用するのか尋ねたところ、岡山・全国ともに同じ順であった。最も多かった理由は、「現金以外の決済手段だとお金を使いすぎてしまうから」で、岡山は57.2%、全国では43.0%。2番目に多かった理由は、「現金以外の決済手段はセキュリティに不安があるから」で、岡山が30.4%、全国が18.8%であった。岡山はキャッシュレス決済への不安、現金への信頼が全国より強そうである。

 消費増税に伴う「ポイント還元事業」が実施された場合のキャッシュレス決済の利用について、「現在利用していてさらに利用が増えると思う」と「現在も利用していて、引き続き同じ程度利用すると思う」を合計すると岡山は76.3%、全国は79.8%でほぼ同程度の結果であった。「現在利用していてさらに利用が増えると思う」のみに着目すると岡山は36.7%、全国は52.2%で15.5ポイント差が開いており、岡山は全国に比べて政府の政策があってもキャッシュレス決済の利用意向はまだ低い。行政や商工会議所や企業など協力してキャッシュレスについて啓蒙する必要が高いと言える。

本誌:2019年8月26日号 11ページ

PAGETOP