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連載記事スローライフ~午後4時の窓辺から~

炎熱地獄

 この夏の暑さは異常です。本日7月23日には熊谷で気温が41.1度にも達し、国内観測記録を5年ぶりに更新したそうです。岡山県でも洪水の後に炎暑とは、水害被災者にとってまさに踏んだり蹴ったり、何の因果で水攻め火(日)攻めの仕打ちを受けないといけないのでしょう。

 昨日は猛暑の中、瀬戸内市立美術館(牛窓)で開催されていた企画展の最終日だったので、炎天下のなか赤穂線で邑久駅まで行き、そこでバスに乗り換え牛窓まで行きました。魅力的な展示会だったのでぜひ行きたいと思いながら少しは涼しくなるのを待っていたらとうとう最終日になってしまいました。

 美術館を出たあと、なじみのカフェに行ったのですが、ここは天然の風を売り物にしていて本来はハワイ気分に浸れるところですが、エアコンなしはさすがに耐え難いものがありました。店主も「この異常な暑さはお客様の健康を害する危険性がある。エアコン設置を検討しなくては」と音を上げていました。

 いつもの牛窓の夏ならエアコンがなくても、外のテラスで瀬戸内海に浮かぶ小豆島を遠望しながら冷えたビールを飲めば最高の気分に浸れるはずだったのに、今日はなんだか変、体がフワフワし意識が遠のく感じがします。家を出て電車に乗りカフェにたどり着くまで常に水分を補給していたのにおそらく軽度の熱中症になっていたのかもしれません。暑さで死を連想したのも生まれて初めての経験でした。

 この死をもたらす暑さの中、水害で住む家を失いエアコンもシャワーもない避難所で過ごしている方々にはお見舞いの言葉も見つかりません。堤防が決壊して迫ってくる水も危険ですが、体力を確実に奪う暑さも同様に危険です。劣悪な環境の避難所にいる人々、またほかに行き場がないからという理由で電気や水道が止まったままの自宅にとどまっている人々に対し、どうやって安全な場所を確保していけばいいのか行政にとっても試練の夏になりました。

 阪神大震災のときは私もボランティアとして出かけるだけの若さがありましたが、古希を迎えた今は何もできません。どうか被災者の方々はもちろん行政、警察、救急隊、ボランティアの方々も決して無理をなさらず、暑さの猛威をやり過ごしてほしいと願うばかりです。

本誌:2018年夏季特別号 21ページ

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