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[知的財産]デザインの早期権利化

 Q 弊社は、製品の新しいデザインを意匠登録出願しましたが、まだ意匠登録のための審査待ちです。意匠登録出願後に製品販売を開始したところ、先日、他社がそっくりのものを販売し始めました。登録が早くなりませんか。

 A 意匠登録出願されたデザインには、出願が審査を通過して登録されることで意匠権(独占権)が与えられます。デザインの早期保護要請に応えるため、次の1又は2に該当する出願を対象とする早期審査制度が設けられています。

 1 権利化について緊急性を要する実施関連出願

 次の(1)及び(2)を満たす出願です。

 (1)出願人又は出願人から出願意匠について実施許諾を受けた者が、出願意匠を実施しているか又は実施の準備を相当程度進めている意匠登録出願であること。

 (2)下の①~③のいずれかに該当し、権利化について緊急性を要するものであること。

 ①第三者が許諾なく、出願意匠若しくはそれに類似する意匠を実施しているか又は実施の準備を相当程度進めていることが明らかな場合

 ②その出願意匠の実施行為(実施準備行為)について、第三者から警告を受けている場合

 ③その出願意匠について、第三者から実施許諾を求められている場合

 2 外国関連出願

 出願人がその出願意匠について海外にも出願している意匠登録出願であること。

 平均的には通常6~7カ月の審査期間が、早期審査対象になれば2カ月前後になります。

 ご相談例は、貴社(出願人)が製品を販売(出願意匠の実施)しており(上記(1) 充足)、かつ他社が許諾なく、そっくりのものを販売(出願意匠又はそれに類似する意匠の実施)していますので(上記(2)①充足)、権利化について緊急性を要する実施関連出願として早期審査の対象になると考えられます。

 なお、他社製品が、貴社製品のいわゆるデッドコピーのようなものであれば、不正競争防止法の商品形態模倣(同法第2条第1項第3号)もご検討になることをお勧めします。

本誌:2017年6.12号 21ページ

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