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[知的財産]職務発明「相当の利益」の定め

 Q 職務発明の「特許を受ける権利」を従業者等が使用者等に取得させた場合に、従業者等に付与する「相当の利益」を定める定めは、どのように決めるべきですか。

 A 前回(5月23日号) において、職務発明に係る「特許を受ける権利」を従業者等が使用者等に取得させた場合の、従業者等に与える「相当の利益」を定めにより定めるときは、その定めによって相当の利益を与えることが不合理と認められないようにすべきことを説明いたしました。

 この不合理か否かの判断で考慮すべき事項に関し、経済産業大臣が指針(ガイドライン)を発表していますので(http://www.jpo.go.jp/seido/shokumu/shokumu_guideline.htm )、この定めはこの指針に従うべきです。指針の概要を下に説明します。

 不合理か否かの判断は、その定めにより相当の利益の内容が決定されて与えられるまでの全過程によるものとされ、特に、特許法第35条第5 項に例示される以下①~③の状況が適正か否かがまず検討され、それらの手続が適正であると認められる限りは、使用者等と従業者等との間の定めが尊重されること(不合理ではない)が原則です。

 ① 「相当の利益の内容を決定するための基準の策定に際して使用者等と従業者等との間で行われる協議の状況」

 基準の策定に関し、基準の適用対象となる職務発明をする従業者等又はその代表者と使用者等との間で行われる話合い(書面や電子メール等によるものを含む)全般の状況に関するものです。

 ② 「策定された当該基準の開示の状況」

 策定された基準を当該基準が適用される従業者等に対して提示すること、即ち、基準の適用対象となる職務発明をする従業者等がその基準を見ようと思えば見られる状況に関するものです。

 ③ 「相当の利益の内容の決定について行われる従業者等からの意見の聴取の状況」

 その定めに基づいて、具体的に特定の職務発明に係る相当の利益の内容を決定する場合に、その決定に関して、当該職務発明をした従業者等から、意見(質問や不服等を含む) を聴く状況に関するものです。

 この指針には、これら①~③の対象者、方法及び程度それぞれに関し、具体的な内容が示されています。

本誌:2016年6.13号 21ページ

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