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[知的財産]一部の指定商品に関する拒絶理由

 Q 指定商品「菓子、茶」に関し商標登録出願したところ、指定商品「茶」には似た他人の商標が登録されているとの拒絶理由が届きました。指定商品「菓子」に関しては何としても登録したく、できれば「茶」も何とかしたいのですが…。

 A 貴社出願商標(以下、貴社商標) と他人の登録商標(以下、他人商標) とが類似することによる拒絶理由(商標法第4条第1項第11号)を解消するには、互いの商標自体が類似しないか、又は互いの指定商品及び役務(指定商品等) が類似しないか、の少なくとも一方を主張します(第1905号に詳しい)。

 本件も、他人商標と貴社商標とが類似しないことを意見書等によって主張し認められればよいのですが、それが認められないと、拒絶理由の対象である指定商品「茶」の登録が認められないのみならず、拒絶理由の対象となっていない指定商品「菓子」についても登録は認められません。

 これを防止するには、分割出願という方法があります。即ち、指定商品「菓子、茶」を含む現出願(親出願)から、拒絶理由の対象となっている指定商品「茶」を抜き出して別の出願である分割出願(子出願)とするのです。具体的には、親出願については指定商品「茶」を削除する補正を行うと同時に、指定商品「茶」について新しい子出願(分割出願) を行います。こうすることで親出願は、拒絶理由の対象である指定商品「茶」を含まなくなるので、指定商品「菓子」に関して親出願を安全に登録することができます。

 一方、指定商品「茶」に関する子出願は、他人商標と貴社商標とが類似しないことを主張し争うことで、それが認められれば指定商品「茶」に関する子出願を登録することができます。仮に非類似だと認められずに指定商品「茶」に関する子出願について拒絶されても、指定商品「菓子」に関する親出願の登録には影響を与えなくてすみます。

 このように指定商品等のうち、拒絶理由の対象となっていない安全なものと、その対象になっていて危険なものと、を親出願と子出願(分割出願)とに分割することで、安全な指定商品等については確実に登録すると共に、危険な指定商品等については類似関係を安心してしっかり争うことができます。

本誌:2016年1.18号 22ページ

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