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連載記事マネーの道しるべ 7

大きい雪玉を作るには長い坂で

 先日もドル建ての養老保険に加入されているお客様にドルコスト平均法について説明したところ「そうだったんですか」と嘆かれていました。ドル建ての養老保険を勧めたのは元銀行員だったそうです。お客様に「いやいや、元銀行員だからといってドルコスト平均法について理解しているわけではないのですよ」と話しても「1ドルがおよそ80円から120円までの幅があるのに、毎月決まったドルで保険料を支払ったら平均よりも高く買ってしまうんですよ。ドルベースで20年でたった20%しか増えないんです。だます気がないなら相当、無能ですよ」と大変おかんむりでした。基本的な運用に関する知識がないと嫌な思いをすることがあるものです。

 しかし、運用についての基本的な知識がないのは日本全体に言えます。もう転勤されたのですが、某証券会社の支店長と会食する機会があった時のこと。その支店長は「7年前に4000万円の住宅ローンを組んでマイホームを買ったのですが、株式投資で4000万円もうかったので住宅ローンを全額返済しました」と自慢されたのです。何の自慢なんでしょうか。ばくちで勝ったお金ではないのです。本当に資産運用に自信があるなら、住宅ローンのように低金利で長く借りられるものをわざわざ返す必要はないのです。返さずに運用すればよかったのです。この支店長は裏を返せば、たまたま投資が上手くいっただけで運用に自信がないと公言しているようなものです。

 もちろん、僕自身も優れた投資家ではありませんが、基本的な運用知識があるので、前述したようなことを選択することは避けられます。最後に運用リスクを取りたくない人に考えていただきたいのですが、円安になり食料自給率の低い我が国の食料品はずいぶんと値上げされました。しかし、銀行預金は真冬の寝汗ほども増えていません。

●森康彰● 2年間、保険代理店に勤めた後、2008年に保険コンサル会社㈲e.K.コンサルタントを設立。2014年に東京支社を設けるなど、首都圏へも業務を拡大中。 お金の運用に関する相談やセミナーも開催している。

本誌:2015年秋季特別号 19ページ

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