WEB VISION OKAYAMA

連載記事

股開きズボン

 今や世界の最先端をいく上海。この10数年私が見てきた期間に限定しても年々人々のマナーやセンス、身に着けているものが洗練されてきています。地下鉄の整列乗車、降りる人優先の乗車マナーも板についてきました。

 そんな現代中国の大都会でいかにも中国らしい光景だと思うのが幼児が着用している股開きズボンです。じいさんばあさんに連れられて公園で遊んでいるよちよち歩きの幼児たちは便意を催してくるとどこででもそのまましゃがみます。

 するとズボンのお尻のところがぱかっと開きぷりぷりっと用を足し、じいさんばあさんにお尻を拭いてもらってすっきり。紙おむつを当てないから中国の子どもが世界で一番早くおむつ離れするそうです。なかなか合理的ではあります。

 最近ロサンジェルスで中国系住民が子どもにあれをはかせて公園で遊ばせていたところ、警察に通報されて中国人が大激怒、などというニュースがありました。郷に入っては郷に従えの言葉通りで中国以外であれはイカンでしょと思います。

 ところで訪日中国人の爆買いアイテムのひとつに日本製の紙おむつがあります。高松空港のような小さな空港でも出発ロビーには温水便座と紙おむつの包みを2つも3つも抱えた搭乗客をよく目撃します。紙おむつと股開きパンツの使い分けはいったいどうなっているのでしょう?

 上海の地下鉄で私の隣に幼児を抱えた若いお母さんが座りました。赤ちゃんはもみじのような小さな手で私の指を握ってきます。どこの国でも赤ちゃんってなんてかわいいのでしょう。私もひょっとこの真似をしたり舌をべろべろしたりしてこの赤ちゃんに大サービス。

 私と遊ぶのに飽きたのか、赤ちゃんがくるりと向きを変えお母さんに抱きついたとき、この子のズボンも中国式のものであることが分かりました。でもお尻丸出しではなくちゃんと紙おむつが当ててありました。いくらかわいい幼児のお尻でも直に座席に触れるのは幼児にも他のお客さんにもNo good。こんなときのために紙おむつが役に立っているようです。

 股開きズボンをはいた天真爛漫、無垢の幼児を見ていて何故か、日本は2度と中国と戦争なんかしてはいけない、としみじみ思うのでした。

本誌:2015年6.22合併号 21ページ

PAGETOP