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遺族年金の怪

 今年6月初めに父が96歳の生涯を閉じました。2歳年下の母は94歳にして未亡人になった訳ですが、家で寝たきりながら平穏な生活をしています。数年前からアルツハイマー病が最終ステージまで進行し、夫の死も自分が結婚していたことさえ幸か不幸か理解することなく未亡人(遺族)になりました。

 役所の手続きのうち一番摩訶不思議だったのが遺族年金の手続きです。父も母も長年教師をしていたのでどちらも共済年金をもらっていました。年額の比率でいうと5対3ぐらいで父の方が多かったのですが、学校共済組合から送られてきた遺族年金制度の仕組みは複雑すぎて理解できないままギブアップしました。

 母は自分の年金をもらい続けるのがいいのか、父の遺族年金をもらう方がいいのかよく分かりません。私は何が何だかよく分からないまま「よきに計らってください」との一文を備考欄に記入して提出。そして3カ月近く経過したころ遺族年金裁定書なるものが送られてきました。

 そこには今後母が受け取る年金額などが記入してありましたが、いったい母のもともとの年金はどうなったのかなど依然として私には理解不能でした。結局10月の年金が銀行口座に振り込まれて初めて今後母が受け取ることになる年金の全体像が分かってきました。

 回りくどく書いていますが、要するに父が生きていたころの父と母の年金の比率(5対3)でいうと母の年金は4になりました。とりあえず増えたのでよかった、よかった! 相変わらず物分かりの悪い私は、母の自分の年金3に遺族年金1が追加されて4になったのかと思ったのですが、実は母の年金は今までの半額1.5になりそこに遺族年金の2.5が足されて4になったようです。

 その結果、つまり母本来の年金額が半減した結果、母の所得は半額になり所得税がゼロになりました。現実の所得は増えたのに……です。その訳は遺族年金は非課税の年金であるからということらしいです。

 「よきに計らってください」と言ったらその通りになってよかったのですが、敵(政府)もさるもの!すでに法改正して私が考えたような(自分の年金を満額受給し、遺族年金を足す)仕組みになっているそうです。もちろんこの方が同じ受取額であっても所得税が取れるからです。

本誌:2014年12.1号 29ページ

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