WEB VISION OKAYAMA

連載記事

春秋航空異変

 尖閣問題の影響が長引いて日中間の航空需要が低迷しています。すでに表だった暴動は収まったとはいえ、上海の日本レストランで食事をしていた日本人が中国人数人から暴行を受けたなどという物騒なニュースを聞くと、この時期中国に観光に出掛けようという人が激減したままであるのも無理ないことです。

 いっとき銀座や心斎橋にあふれていた中国人の買い物客がめっきり姿を消したように、日本行きの便もガラ空きです。日中間に定期便を飛ばしている航空各社にとって受難の時期はしばらく解消しないものと思われます。

 そんな中、中国のLCC(格安航空会社)である春秋航空が上海・佐賀便と上海・高松便に“1円キップ”なるものを投入しました。しかしわずか1日か2日で販売を中止してしまいました。

 中国のネット社会で「春秋航空は愛国的でない」という批判が起きたためだそうですが、どうもその理屈がよく分かりません。要するに日本人に激安運賃で便宜を提供することが気にくわなかったのでしょう。ちなみに この“1円キップ”は中国では“0元”で売り出していたので何も日本人にだけ安く提供しようとしていたわけではありません。

 ビョーキです。中国の運輸当局が日本いじめの一環としてこうしたお達しでも出したというのならともかく、一民間航空会社の営業戦略にまで大衆が理不尽なイチャモンをつけ、企業はそれを考慮せざるをえないところに、今の中国の相当深刻な社会病理が見えてきます。

 さて“1円キップ”はまぼろしに終わったのですが上海・高松便がガラ空きで飛んでいることに変わりはなく、出発直前まで片道4000円という最低料金で予約、搭乗できます。燃料サーチャージ、税金などを加えたトータル金額でも往復2万円ちょっとです。

 春秋航空は香港、深セン、バンコク等上海乗り継ぎ便も格安です。11月早々に“敵情視察”も兼ねて上海と上記のどこかの都市に出掛けることにしました。尖閣問題で中国は一人芝居のように行動をエスカレートさせていますが、中国に行けばそれなりに問題を肌で感じるところがあるのではないかと思います。まさに“百聞は一見にしかず”です。今回は久々に海外旅行保険に加入しようと思います。(10月25日記)

本誌:2012年11.5号 12ページ

PAGETOP