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[知的財産]  特許権侵害の警告書への対応

Q :弊社A の製品が競争相手B の特許権を侵害するとの警告書が突然届きました。どう対応すべきですか。

A : 落ち着いて侵害成否を調査すべき

警告書は、内容証明郵便等で突然送付されることが多くびっくりします。まず重要なのは落ち着くことです。当面のトラブルを何とか解決したいとの思いから、十分な調査や検討をせず、あわてて相手方に電話をしたり手紙を書いたりする方がおられます。しかし、あわてて相手に伝えた内容が後で問題になることがありますので、まず次の点をしっかり調査し検討してください。

第1 に、競争相手B の特許権が存続しているかどうかを確認します。特許料の納付を忘れる等で特許権が消滅していれば、それに基づく権利行使を受けることはないからです( 但し、特許権が存続していた期間中の貴社A 製品の販売等に基づく損害賠償請求を受けることはあります。)。

第2 に、貴社A 製品が競争相手B の特許権の権利範囲に入るかどうかです。これは特許請求の範囲の各請求項ごとにそれに記載された文言の全てを貴社製品が充足するか否か( 文言侵害) を中心に検討すべきことは先月5 月号にてご説明した通りですので、今回は説明を省略します。

第3 に、競争相手B の特許権が有効かどうか検討します。本来、特許されるべきでないものが間違いで特許されることもあり、その場合、相手B の権利を無効( 遡って最初から無かったことと同じ) にしたり、万一、裁判になっても権利行使を阻止できる可能性があります。特許権が有効でない代表的な1 つの理由は、その特許権に係る発明が特許出願よりも前に公知であったとの理由です。例えば、出願前に出版された書籍にその発明が記載されていたとか、出願前にその発明を具現化した製品( 貴社A や相手Bのみならず、第三者の製品でも可) が販売されていたといったことが代表例です。

第4 に、相手B の特許出願よりも前に貴社A がその製品を製造等していたのであれば、相手B の特許権があっても、貴社A は無償で今後も貴社製品を製造販売することが認められる場合があります( 先使用権)。

以上のような点を考慮し相手B の警告の当否を十分検討の上、書類で回答することをお勧めします。

笠原特許商標事務所
弁理士・所長
笠原 英俊氏
岡山市北区野田2-7-12
TEL086-245-0440

本誌:2011年6.13号 21ページ

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