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連載記事

春の訪れ

 毎年感じることですが、正月を過ぎると急に春めいてきます。夕闇に輝くクリスマスのイルミネーションが門松に代わっただけでこんなにも季節感が違うのかとても不思議です。

 寒さから言うと大寒はこれからだし、本当の春はまだずいぶん先のことですが、日々太陽の光が強くなり夕暮れもずいぶん延びてきていることが実感されます。

 まもなく庭に福寿草が咲き、山茶花に代わって椿のつぼみがほろこび始める。2月になれば寒咲きアヤメやアネモネが殺風景な早春の庭を飾ります。

 春の訪れ、何という喜び。92歳、90歳の両親とともに厳しかった昨年をまた生き延び初春を迎えることができました。

 正月の新聞を見ると昨年は交通事故死した人の数が数十年ぶりに5000人を下回ったとか。警察は交通違反を厳しく取り締まる、車の安全性能が格段によくなった、昔みたいにかっこいい車を猛スピードで乗り回して女の子の気を引くバカな若者がほぼ絶滅したのが大きな理由じゃないでしょうか。大変結構なことです。

 その一方、自殺者はこのところずっと年間3万人を超えています。太宰治のように生きる意味を見失って自殺するような文学的な理由で自殺する人はわずかで、大多数は経済的貧困、リストラ、金融情勢のひっ迫といった痛ましく切実な理由によるものです。国は一段落した交通戦争への取り組みから自殺対策へ大きく舵を切るべきです。

 通常国会召集を前に鳩山政権は内憂外患で大揺れです。しかし本来鳩山さんが説いたのは友愛社会を実現することでした。超リアリスト国家アメリカと中国に挟まれて、鳩山さんの夢見るような友愛精神の出番はなかなかありそうもないのですが、国民はまだ鳩山植木等スーダラ節政権に夢を託しているのです。

 1年後の正月、すべての人が春をことほぐことができるような政治をお願いします。

本誌:2010年1.18号 13ページ

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