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[経営] 信用調査と与信管理~その1

Q:取引先の倒産が増える中、新規取引先を開拓する際の信用調査と与信管理の留意点を教えて下さい。

A:新規取引開始は慎重に

1.はじめに:新たな会社と取引開始する際は、「信用調査」と「取引の制限」((1)取引方法の制限;入金日までのサイト短縮、現金取引等、(2)取引金額の制限;最初は小額で、体力に合った取引規模拡大等)が重要。

2.「信用調査」について:「定性的調査」と「定量的調査」(決算書・所有不動産)があります。

(1)「定性的調査」の評価項目は、経営者に関して(1)指導力・統率力、(2)先見性・洞察力、(3)人格・評判、(4)経営専従度合等、その他(5)幹部社員の充実度、(6)後継者の育成度、(7)取引銀行からの評価、(8)技術開発力・販売力、(9)従業員の士気等が挙げられます。

(2)「定量的調査」(決算書)のポイントは、資産は実質価値、負債は簿外債務の有無です。資産・負債の留意点は、(1)現預金:架空現金・預金の有無、(2)売掛債権:急増してないか・滞留債権・関連会社債権の有無、(3)棚卸資産:急増していないか・架空棚卸品の有無、(4)仮払金・繰延資産:資産性なし、(5)償却資産:償却不足の有無、(6)土地等・投資有価証券・子会社株:含み損の有無、(7)貸付金:不良貸付金の有無、(8)仕入債務・未払金:急増していないか、(9)借入金:急増していないか・簿外借入の有無等です。損益科目は、(1)売上高:連続減収・計上基準変更の有無、(2)粗利益:粗利益率の変化、(3)販管費:人件費・経費の大きな変化、(4)営業外損益:支払利息・雑収入の増加等です。

(3)「定量的調査」(所有不動産)のポイントは、甲区で(1)仮差押え、(2)差押え、(3)所有権移転仮登記の有無、(4)所有者名義変更(経営者から家族へ)の有無、乙区で(1)担保設定の相手方、(2)金融機関の抵当権設定状況、(3)抵当権設定金額・件数異常の有無等です。又「商業登記簿謄本」調査も重要で、(1)社名変更、(2)本店所在地移転、(3)役員変更状況、(4)社歴等がポイント。

(4)信用度ランク付け判断:(1)~(3)の各調査項目をA~Eの5段階評価し、A,Bは優良先ですが、D・Eは、大いに要警戒先・直ちに取引中止先です。信用度ランク付けに応じた与信設定・取引継続判断、取引条件の変更等の対応が重要です。

税理士法人石井会計代表
石井栄一氏
岡山市南区新保1107-2
TEL086-201-1211

本誌:2009年9.14号 21ページ

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