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四国の道

 休日の高速料金が距離に関係なく1000円という愚策(正直に言えばありがたいが)に悪のりして用もないのに高知県・足摺岬までドライブしました。

 30年前オートバイで走ったころの四国の道は国道とは名ばかり、幅2mほどの3ケタ国道ではニワトリがコケコッコーと飛び回っていました。それから30年が経過し国道の整備はいうにおよばず、今やフル規格の高速道路が各県庁所在地を十文字に結んでいます。地元の長年の悲願は完全に達成されました。

 ところが快適な高速道路を走っていて妙なことに気付きました。地元ナンバーの車があまり走っていないのです。それもそのはず、高速道路に平行してよく整備された国道があるのに何も有料で使い勝手の悪い高速を走る理由などないのです。

 ところで、四国と言えば遍路道、こちらはどうなっているかと言えば、昔ながらの遍路道だけで88カ所すべてを訪ねることが難しく、お遍路さんたちは炎天下、しばしばダンプカーが行き交う国道べりを歩いています。長いトンネルの中ではヘッドライトに浮かぶ白装束のお遍路さんのシルエットは亡霊にも似て、いったい何の罪があってあんな苦行を強いられているのか本当にお気の毒です。

 戦後60年かけて国道や高速道路の整備がほぼ終わった今、遅ればせながら四国88カ所を結ぶ快適な遍路道が整備されることを望みます。高速道路を建設する100分の1ほどの工事費でできるのではないでしょうか。

 江戸時代の街道と宿場を現代によみがえらせること。これは新たな文化遺産というより未来永劫価値を失うことのない文化資産になるでしょう。自動車道の建設はもうケッコー。

本誌:2009年6.8号 12ページ

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