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連載記事山田響子の魅力を引き出すコミュニケーション術

スピーチ力を高める方法

 毎年6月から7月にかけては、スピーチトレーニングの個別レッスンを希望するビジネスマンの方からのお問い合わせが増える季節です。経済団体に所属している方などは、来年度の役員を引き受ける予定が内定したり、春先にスピーチの機会があったの際に、自分が思うように話せないことにもどかしさを感じ、この機会にきちんとトレーニングをしたいと決意される方が多いようなのです。

 人前でうまく話せない。ビジネスマン、特にリーダーにとっては乗り越えるべき課題です。話して伝える力は、人の気持ちを動かし、行動まで変える力があります。何よりも「セルフイメージ」の向上に大きな影響を及ぼします。今号からは複数回にわたって、スピーチ力についての誌上トレーニングをお届けしようと思います。

 まず初めに、人前で話すために克服しなければいけないのは「緊張」との付き合い方です。緊張には良い緊張と悪い緊張があります。紅白歌合戦でトリを飾ることが何度もあった、歌手の和田アキ子さんは極度の緊張症で有名でした。いつも舞台袖ではガタガタ震えているのだそうです。WBC決勝で世界一奪還を目前にしたマウンドに立った大谷翔平選手は「本当に緊張した」とインタビューに語っています。ここで上手くやりたい、と気合いが入れば、緊張は自然な感情なのです。良い緊張は集中力を高める効果があり、その集中力をゾーンに入るように生かすことができ、いざ本番の舞台では時間が経つにつれ落ち着いてくるのです。

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本誌:2024年7月8日号 15ページ

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