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特集[サステナブル特集] インテックスHDグループ

牛窓でSDGs体験型施設を運営 廃棄物活用し農園やグランピング

 産業廃棄物処理のインテックスホールディングスグループ(岡山市)は、瀬戸内市牛窓町鹿忍6129でSDGs体験型複合施設「牛窓TARI」を運営している。

 同グループが進める、10年後の未来に向け、産業廃棄物を加工した廃木材チップなどを燃料として施設や地域を創出する「エコビレッジ構想」を体現したもの。名称のTARIは、食べたり、飲んだり、くつろいだり、泊まったりできることから名付けた。同チップを熱源としたハウスでバナナを栽培し、併設のカフェでオリジナルブランドの洋菓子「Draine」や、サステナブルな思考で瀬戸内、牛窓の素材を生かしたメニューを提供する。ハウスを温める際に発生する温水を活用したオニテナガエビの養殖場も備え、エビ釣り体験もできる。

 施設内の海側エリアでは、耐久性の高いドーム型グランピング施設3棟のほか、日帰りBBQやフィンランド式バレルサウナ、ドラム缶風呂などさまざまなアウトドアが楽しめる。BBQブースは建設余剰材で組み立てたほか、施設づくりに廃パレットや船舶ロープ、瓦チップ材「テコラ」を使用するなど廃棄物の再利用に積極的に取り組んだ。また、駐車場から海側エリアまでの移動は、東南アジアで多く見られる三輪タクシー「トゥクトゥク」で送迎してもらえるのもリゾート感があると人気だ。

 宿泊料金は1人1万5000円~、BBQセットは1人2500円~。問い合わせは同施設(電話0869-34-5551)へ。

ゼロ・エミッションに挑む

 同グループがエコビレッジ構想を推進するのは、建設廃棄物の有効活用と、過疎地域や大規模な耕作放棄地などを開拓することで、雇用の創出、地方創生、女性活躍などの社会課題解決を図るのが狙い。牛窓TARIをロールモデルに山間部などにビレッジを増やしていき、将来的には、廃棄物を燃料とした発電プラントを建設し施設内の電気を賄う環境づくりを目指す。

 金山昇司代表は「『私たちがやらなきゃ、誰がやる』の思いでプロジェクトを進めている。多くの人が施設を楽しみ、SDGsに触れることが社会課題解決につながる。構想を進めて、廃棄物をゼロにするゼロ・エミッション実現に挑みたい」としている。

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本誌:2024年06月10日号 5ページ

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