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連載記事山田響子の魅力を引き出すコミュニケーション術

相手の立場に立って、相手の気持ちに共感する方法

 部下の話をよく聞き、理解し、応援できる上司でありたいという理想を持っている方は少なくないと思います。部下との面談の時間を持たれている方も多いでしょう。ところが、このような場面で「話を聞いてあげているつもり」で、部下からは本音を引き出せていないといったことが多く見受けられます。上司側の自己満足になってしまうような面談が繰り広げられていることも多いようです。

 では、どのようにすればより良い理解者となり、応援者となる上司になれるのでしょうか?話をよく聞くことを傾聴と言います。コーチングに必要不可欠なスキルとして耳にしたり、学んだことがある方もいるかもしれません。傾聴とは相手の話を、相手の立場に立って、相手の気持ちに共感しながら理解しようとする。 相手の話を善悪の評価、好き嫌いの評価を入れずに聴く。 相手の話を否定せず、なぜそのように考えるようになったのか、その背景に肯定的な関心を持って聴くこと、と厚生労働省の働く人のメンタルヘルス・ポータルサイトに解説があります。

 この相手の立場に立って、相手の気持ちに共感するということが、言葉で言うほどはたやすくないのです。上司や先輩として話を聴く側は、つい有益なアドバイスをしようという気持ちが先走ってしまいます。それは当然のことかもしれませんが、今目の前の人の気持ちを自分自身の経験や体験になぞらえてしまいがちでもあります。部下や後輩は、そのなぞらえた事例と異なっていると感じても、いえ、そうではないとはなかなか言えません。

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本誌:2024年06月10日号 21ページ

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