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連載記事杉山慎策の経営学考察

国富論を読む5

 ここでブルース・ヘンダーソンがハーバード・ビジネス・スクール(HBS)でケネス・アンドリュースから学んだSWOT分析をみておきたい。

 この分析手法はスタンフォード大学のアルバート・ハンフリー教授が企業の長期計画の失敗の研究プロジェクトから開発されたもので、 当初は「SOFT分析」(S=Satisfactory、O=Opportunity、 F=Fault、 T=Threat)という名称であった。1964年FをWに変更し、「SWOT分析」という名称になった。これを世界的に広めたのが、HBSのケネス・アンドリュースである。BCG(ボストン・コンサルティング・グループ)のブルース・ヘンダーソンはSWOT分析をHBS在学中に叩き込まれたに違いない。

 HBS退学後彼の作り出した成長・市場シェアマトリックス(PPM)は彼の著書である『経営戦略の核心』(1981)で解説されている。分かりやすくするために筆者が一部修正したものが次の図である。前回説明したとおり、円の大きさが売り上げ規模を示す。最終的には企業全体でキャッシュフローをどうすれば最大化できるのかと、事業を永続させるためにはどうすればよいかが経営目標となる。

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本誌:2024年4月1日号 15ページ

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