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連載記事山田響子の魅力を引き出すコミュニケーション術

自分自身の意志の存在に気付く 

 分かっているのにできない。やろうと思うのに体が動かない。

 あなたにはそんな経験はないですか?そんなあなたに、アドラー心理学はとても厳しいかもしれません。「ダイエットをしているのに、つい食べてしまう」「身体に悪いと思っているのに、お酒がやめられない」「今この課題に取り組まないと後で困ると分かっているのに、だらだらテレビを見てしまう」「頭では行かなくちゃと思っているのに、足が重くて欠席してしまった」など、あなたにも思い当たる節があるかもしれません。

 少し厳しく感じるかもしれません。これらを「人生の嘘」だと言って、アドラーは明確に否定しました。日本では創始者の名前を冠して「アドラー心理学」と呼ぶことが多いのですが、アドラー自身は自分の心理学について、個人心理学(individual psychology)と呼び、今も欧米ではそのように呼ばれています。それは、個人(individual)が、分割できない存在である、と考えていたことによります。

 「人は心の中が矛盾対立する生き物ではなく、一人ひとりかけがえのない、分割可能な存在である」と捉え、個人心理学と名付けられたのです。

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本誌:2023年11月13日号 17ページ

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