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連載記事社説

「岡山ブーム」の背景にあるもの

 甲子園球場で開催された夏の全国高校野球選手権大会は、慶應義塾高校の107年ぶりの優勝で幕を閉じた。5回終了時のクーリングタイム導入、丸刈りではない高校の増加など新しい時代の到来を感じさせる点も多々あったが、猛暑をものともしない球児たちのひたむきなプレーぶりにはいささかも変わりはなく、見る者に感動を与えた。おかやま山陽高校の活躍もあり、応援に熱が入った人も多かったのではないか。

 県勢悲願の夏の甲子園制覇には届かなかったが、このところの「岡山ブーム」はとどまるところを知らぬ勢いだ。昨年末から倉敷高校の全国高校駅伝男子優勝、津山市出身のお笑いコンビ・ウエストランドがM-1優勝、そして年が明けると岡山学芸館高校の全国高校サッカー選手権優勝、都道府県対抗女子駅伝でのドルーリー朱瑛里選手の17人抜きによる区間新記録…。芸能人らが話す「岡山弁」もすっかり市民権を得た感すらある。

 かつて評論家の大宅壮一が「日本のユダヤ人」と称し、県が「燃えろ岡山県民運動」という旗を振ったことから分かるように、何事にもクールで熱くなれない気質の岡山県民。古里自慢下手でも知られるが、このところの盛り上がりの背景にはいったい何があるのか。

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本誌:2023年9月4日号 22ページ

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