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連載記事杉山慎策の経営学考察

イノベーションの重要性

 日本経済は30年間以上低迷を続けている。最大の要因は少子高齢化の結果人口のボナース期からオーナス期に入ったことによる生産性の低下である。労働のオーナスは想像以上に経済にダメージを与えることが日本で実証された。一産業分野のイノベーションが経済全体を底上げするようなインパクトを持つことは少ない。過去、「電気」、「自動車」、「飛行機」、「インターネット」、「パソコン」などは経済全体へのインパクトも大きかった。今後は「生成AI」や「ドローン」などが社会全体に影響を与える可能性がある。恐らく中国も何らかの革新的イノベーションが生まれない限り日本と同じ低迷の状態が継続すると思われる。

 本稿でも何回か繰り返しているが、イノベーションが経済において重要な役割を果たしていることを見つけ体系づけたのはヨーゼフ・シュンペーターである。1912年に発表した『経済発展の理論』で次の5つをイノベーションとして定義している。

 「新製品の開発」「新生産方法の導入」「新市場の開拓」「新原材料の利用」「新組織の形態の導入」。

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本誌:2023年7月3日号 17ページ

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