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 通常国会では大きな議論を呼んだ法案がいくつか成立したが、そのうちの一つが改正入管難民法。不法滞在などで強制退去を命じられながら送還を拒む外国人に対し、3回目の難民申請から「相当な理由」がなければ送還できるように改めるもの。2年前にも改正案が提出されたが、入管施設に収容中だったスリランカ人女性が亡くなり、廃案になった経緯がある。

 2年越しの法案成立を目指す政府に対し、立憲民主党などの一部野党は「人の命を奪う法案」などと真っ向から対立。最終的には強行採決となったのだが、法改正の是非はともかく、参院法務委員会での採決時に、れいわの山本太郎代表が委員長席めがけてダイブし、自民党議員にけがを負わせたことは残念に思うし、委員会審議中の東京新聞記者による不規則発言については驚かされた。

 今回の出来事に限ったことではないが、近年、日本社会の自壊が進んでいるように感じる。時にはルールより目的が優先されてしまい、日本的な寛容さが失われつつあり、ささいなことが「炎上」につながってしまう風潮には息苦しさを覚えてしまう。

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本誌:2023年6月26日号 21ページ

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