WEB VISION OKAYAMA

企業・事業紹介ベンハウスグループ

賃貸マンション3プロジェクト始動 「地域との調和」で新たな街づくりに挑戦

 不動産業のベンハウスグループ(岡山市北区下中野721-108、藤澤茂代表)は、市内の中古マンション、用地を取得し、3賃貸マンションのプロジェクトを開始した。地域に根差し、活性化に貢献できることをテーマに「地域に調和するマンション」で新たな街づくりに挑む。


 取得したのは、北区西古松1-18-8の「大元マンション」、同平田133-111の土地(960㎡)、同田町2-14-101の駐車場跡地(255㎡)。来年12月までに順次賃貸マンション3棟を稼働させる計画。

 大元マンションは、築30年が経過した古い物件だが、大元駅から徒歩5分と好立地で、敷地面積も広く各戸に1台の駐車場を完備。名称を「ベンハウス大元駅前」に変更し、新たにオートロックや宅配ボックスなどを設けるほか、外観も周辺の街路樹に合わせて緑と同化するデザインに全面改装する。また、各部屋も順次全面改装を進め、3LDKから2LDKの間取りにフルリノベーションする。

 平田地区では、2018年に築50年を経過した戸建て平屋を改装した「ベンビレッジ平田西借家」東隣に鉄筋3階(一部4階)延べ1740㎡の賃貸マンションを新築。同一敷地で借家と新築マンションを融合させ、公園も絡めた新たなコミュニティ創出を目指す。名称は、「ベンビレッジ平田西公園」とし、2019年に本社併設で稼働した「ベンビレッジ平田」とも連携し、地域での祭りやイベント、防災訓練など企業参画型の街づくりにつなげる考え。

 田町の用地は、西側緑道公園沿いの好立地で、「ベンハウス西川緑道公園」として鉄筋8階(延べ1170㎡、18戸)の規模で建設を進め、来年中の完成を目指している。そのほか、1用地を取得済みで、田町地区での新たな開発に取り組む考え。

賃貸マンションでSDGsに貢献

 同社は、SDGsへの貢献として、「街づくり」、「防災」、「クリーンエネルギー」をテーマに活動。街づくりでは、老朽化した住宅やマンションをリフォームすることで、街と調和した優しい住空間を提供し、住み続けられる街づくりにつなげる。防災では、自然災害発生に備え、マンションの屋上を一時避難所として地域に提供するなど地域住民と連携し有事に備える。クリーンエネルギーでは、災害面、環境面に優れたLPガス販売事業の拡大に注力していく方針。
 

連携高めて地域を活性化 東京・大阪進出見据える

㈱ベンハウス社長 藤澤 茂氏
企画部長 藤澤 謙氏

 藤澤茂社長と長男で企画部長の謙氏にプロジェクトへの思いと今後のビジョンを聞いた。

―プロジェクトの狙い。

茂 創立30周年を迎えた2019年に地元平田地区のランドマークとなる賃貸マンション「ベンビレッジ平田」を竣工し、それまで、点で展開していた事業を面として捉え、「防災」「教育」「環境」をキーワードに地元町内会と連携して地域活性化モデルに取り組んできた。「ベンビレッジ平田西公園」はそれをさらに拡大する拠点となる。

 大元と西川緑道公園は、「地域とマンションの調和」をテーマに地域性を加味し、景観を崩さず街と同化するようなデザインを心掛けた。転勤者やファミリーなどターゲットを絞り、高稼働率を維持できるよう取り組む。

―今後の事業展開。

謙 大手不動産会社を経て4月にベンハウスに入社した。前職では、不動産仲介全般に携わり、東京や大阪の顧客やマーケットの情報を得ることができた。これまでベンハウスが展開してきた岡山の地盤を強みに、踏み込んだ投資による東京や大阪のマーケットへの進出も見据えている。

―事業承継の計画は。

茂 私も65歳となり、息子への事業承継を進めている。今回のプロジェクトを自身の集大成と感じており、次のステップは息子の代でと考えている。息子が40歳となる2028年が1つの目安だ。

謙 藤澤家はイ草とコメの二毛作で生計を立てていたが、65年前に曾祖父が借家業をスタートしたのが事業のきっかけ。1988年に父が法人化し、借家業から賃貸業にステップアップさせたベンハウスを引き継ぎ、事業を拡大できるよう、経営学を学ぶと共に、地元での人脈形成にも努め準備したい。

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本誌:2022年9月12日号 3ページ

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