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連載記事河村まどか マナー講座

電話での“俺サマ”対応

 コロナ禍において、「社内に電話がかかってくる量が増加した」との感想を頂きます。今までは営業担当者の訪問時に伝えていた内容を、なるべく対面での接触を控えるために、ご一報下さることが増えたそうです。貴方様からの電話もその中の一つに含まれているかもしれません。まさか、貴方様に限って、“俺サマ”対応はなさっていないとは思いますが、ある会社で“俺サマ”に対しての対応を、従業員の皆さまにお伝えしましたので、貴方様にもご報告申し上げます。

 俺サマは、上得意様なのだから電話番号を知っていて当たり前だろうが?との思いで電話番号を伝えてくれない人への対応はどうしたら良いですか? との質問を受けました。貴方様が上得意様であっても、電話窓口の今月入社なさった社員さんが、貴方様とのお取引金額を把握しているわけではありません。新入社員さんからすると、名前もおっしゃらない貴方様への対応は難関です。そのまま取り次いで良いのか?判断に困るところです。その場合、貴方様をお電話口でお待たせする時間が長くなるのも失礼ですので、担当者不在ということで、一旦、電話を切ることになります。

 「念のため電話番号を…」と、問われた貴方様は、ご機嫌ななめに、「ディスプレー表示があるだろ?」とおっしゃいました。その場合は、「お気遣いありがとうございます…」と、答えるようにアドバイス致しました。理由は、ディスプレー表示があっても、お相手の情報を勝手にこちらから、伝えるわけにはいきません。それに、社内の固定電話からの番行表示であった場合、その後、お出かけになるならば携帯電話へのかけ直しの方が、ご都合が良い場合もあることでしょう。そのようなことから、勝手に対応せず、貴方様のご意向をしっかり聞くため、貴方様からのお叱りを受けることも承知の上、対応をしているのです。

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本誌:2021年5月24日号 17ページ

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