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- VISION OKAYAMA 2020年11月9日号
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連載記事スローライフ~午後4時の窓辺から~
マツタケ豊作というものの
秋の味覚といえば20世紀梨、サンマ、マスカット、マツタケ……秋の珍味は数々あれどやはりマツタケだけは別格。国産ものの中でも岡山産マツタケはとりわけブランド感にあふれています。そんな岡山産高級マツタケとのご対面を目指して、秋晴れの一日高梁、湯郷温泉方面のマツタケがありそうな道の駅や直売所まで、ドライブがてら出かけてみました。その結果、どこの店で聞いても「今年は入荷が多い」とのことでした。しかしお値段は普通サイズのカサが開いたものでも1本5000~7000円と例年通り高嶺の花です。
大正生まれだった父の話では我が家がある岡山市近郊の里山でもマツタケはよく採れたとのことでした。私の子ども時代の岡山県のマツタケ生産量のピークは実に2738t(昭和32年)、昨今はわずか1.5t前後であることを考えるとマツタケはもはや絶滅したも同然です。
本当に昔はよかった。山のふもとに田んぼを持っていた伯父は秘密の発生場所を知っていて、農作業に出かけはいつもマツタケを数本カゴに入れて帰ってきました。伯父さんはなかなかのシブチンで、それを弟夫婦である私の両親やかわいい甥っ子(つまり私)には決してくれようとはしませんでした。
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