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連載記事賢い補助金の活用法

「プロポーザル方式」導入し限られた予算でホームページ制作

  • 加藤学氏

 岡山県よろず支援拠点とVISION岡山のコラボ連載企画「賢い補助金の活用法」。今回は限られた予算の中でどのようにクオリティを担保した事業を行うのか、補助事業をより効果的に実施するための事例を加藤学コーディネーターが紹介します。

 小規模事業者持続化補助金(一般型)を活用した事例 ブティックよしなが(倉敷市福田町古新田821-20)

 ブティックよしながは昭和52年10月、婦人服販売店として創業し、早40年余り。「誰もが憩えるコミュニティーの場」をコンセプトに、多くのお客様、地域の皆様方から支持されてきました。

 昨年4月に店舗の改装工事を実施、それを契機に従来行ってきた「婦人服販売」に加えて、「学習スペースの提供」「ケーキ・洋菓子販売」などの新たな事業への多角化展開を図っていきました。そのためさまざまなサービスを告知するためにホームページをリニューアルすることとなり、その資金に小規模事業者持続化補助金を活用することになりました。

 岡山県よろず支援拠点への相談の内容は、ホームページを作成するにあたってどのような機能をもたせたホームページにすればよいのか、どのようにして制作業者を選定すればよいのかということでした。背景には、母親の代に開業した婦人服販売店に加えて、子の代で学習スペースや洋菓子販売などさまざまな業態を行うため頻繁に情報発信を行う必要があったこと、そしてパソコン操作を専門的に行う人材がいないということがありました。

 今回留意したのは、現場スタッフが簡単に更新作業できて、イベント告知などの情報発信が容易に行えること、限られた予算の中で効果的に機能をもたせることでした。今回の取り組みで特筆すべきなのは「プロポーザル方式」でホームページ制作業者を選定したことです。プロポーザルとは「企画競争」のことで、自治体が業者選定を行うときによく使われます。というのも身内が自治体関係の仕事経験があり、こうした方法に馴染みがあったためです。

 企画競争の募集を行うためには、本企画の「仕様書と選定審査ポイント」を事前に決める必要があります。この棚卸しを行っていくことで、必要な機能や更新をしやすく、デザインの方向性などが固まっていき、制作発注段階ではブレない軸がつくられていきます。制作業者にとっては方向性が分かりやすくなり、見積の出しやすさや制作納期の短縮にも繋がります。

 仕様書と選定審査ポイントが固まったところでいくつかのホームページ制作業者へ投げかけたところ、3社からの応募がありました。3社それぞれが要望に応えるためにさまざまな工夫をこらし、それを企画書という形でプレゼンをしてこられたとのことでした。

 再び岡山よろず支援拠点を来訪され、その企画書を共に確認していきました。最終的にはスタッフ体制とPCスキルまで考え抜いて、多彩な機能は無いけど更新しやすいこと、情報をシンプルにまとめることを盛り込み、コスト面でも必要な機能は備えつつ適正な金額で提案した制作業者を選定しました。ホームページ完成から数カ月が過ぎるなか、ブティックよしながらしさを表現しながら、定期的な情報発信を行うことができています。

 補助金で事業を行うときの注意点は、補助金が出るから事業をやろうという本末転倒にならないようすることです。現在は新型コロナウイルスの影響で多くの事業者の経営が苦しくなっています。そんな中で多数の補助金が発表され活用しやすくなりました。会社が苦しいときに最も重要なのはキャッシュフローだと考えています。補助金が出るからといって緊急で必要でないことにお金を使うのは控えるべきです。そうした中で本当に起死回生の一手を打ち、できるだけ低予算で高い効果を狙っていきたいというときこそ、補助金を活用していきましょう。岡山県よろず支援拠点で、事業者の戦略づくりと戦術設計のお手伝いを全力でさせていただきます。

本誌:2020年10月19日号 9ページ

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