WEB VISION OKAYAMA

連載記事マネーの道しるべ 66

不確実な世界で

  • 森康彰氏

 麻生太郎副総理兼財務大臣が他国に比べて新型コロナウイルスの死亡率が低いことを「おたくとうちの国とは国民の民度のレベルが違う」と発言したことが話題になりました。確かに現在の結果は、アベノマスクをはじめとした政策ではなく国民性によるところが大きいように思います。

 岡山県でも感染者が海外からの帰国者か、県外からの感染者しかいない時期に、既にスーパーマーケットなどではレジ前をビニールシートで囲い、床には距離を取って並ぶためのラインが引かれていました。山にホタルを見に行っても駐車場は封鎖され、侵入禁止になっていました。また、多くの海水浴場も閉鎖となっており、感染拡大を抑制するのに貢献しています。

 一方で経済活動は停滞しています。ただ、政府による雇用や家賃に対する充分すぎる補助金でとりあえず失業や破産は防げているのでしょう。もちろん、旅行関係や飲食業などそれだけでまかなえ業界では利益を上げるのは難しいようです。全体としては、ワクチンが開発、確保され、以前と同じような日常を取り戻すまでは国民性で感染拡大を抑制し、補助金で経済を支えるのでしょう。

 では、政府はどれくらいのお金をいつまで補助金として拠出することができるのでしょうか。「自国通貨を発行する政府は、自国通貨建ての政府債務に制約されることなく、市場の供給能力を上限(インフレ制約)に貨幣供給して需要を拡大することができる」というMMT理論で不安を誤魔化すことぐらいしか、国民にできることはないのかもしれません。終戦記念日を迎えて思うのです。改めて国民は、あの戦争の時と同じように最終的に金融緩和のツケを払うのは我々であること自覚する必要があるでしょう。

 コロナ禍は国民性によって感染拡大を抑制することができています。経済についても国民一人ひとりが自覚することで、打てる次の一手があると信じています。

●森康彰●2年間、保険代理店に勤めた後、2008年に保険コンサル会社㈲e.K.コンサルタントを設立。2014年に東京支社を設けるなど、首都圏へも業務を拡大中。 敬愛する人物は、稲森和夫、立川談志。

本誌:2020年8月31日号 9ページ

PAGETOP