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連載記事人材育成のタネ 78

自社に合った人材を採用する質問

  • 竹本幸史氏

 採用面接で成果を上げられる人物かどうかをジャッジしようとしていませんか。例えば、即戦力として活躍するかどうかや、ポテンシャル採用であっても中長期的に活躍できるどうかなど、応募者の能力やスキルが気になってしまうものです。しかし、本当に注意して見抜くべきポイントは、「自社に合う人材かどうか」です。どんなに経験豊かで能力の高い人材でも、その人にとってのびのびと発言や行動ができる環境でなければ、なかなか思うように成果を上げられるものではありません。自社に合う人物かどうかという観点で人材の良し悪しを見抜き、判断することは、面接ではとても重要なポイントです。

 良い人材を定義するとすれば、自社の企業文化や組織風土にマッチする人材、入社後に活躍する可能性が高い、組織や職場環境に適応し、個性を発揮して自発的に成果を追求できる。こういった人材であれば会社をすぐに辞めることなく、組織内でのコミュニケーションも円滑に取りながら自己成長できるはずです。その上で、面接で自社に合う人物かどうかを見極める3つの質問があります。

 1つ目は、企業理念や価値観について意見を求めるというものです。この質問により企業が指す理想と個人の想いが共鳴しているかどうかを見抜けます。向かうべき方向性が同じであれば、例え困難に直面した場合でも一致団結して乗り越えられるでしょう。2つ目は、どんな風に仕事を進めたいタイプかを探ります。行動特性、社内外とのコミュニケーション力などです。仕事の進め方やコミュニケーションの取り方を具体的にヒアリングすることは、今いる人とうまく協働してやっていけるかどうかを見極める上でとても役立つ情報です。最後は、組織の課題や問題点を正直に話してみるというものです。競合他社や応募者の現職と自社を比べて、差異や劣っていることを提示し、意見を求めます。隠していても入社後しばらくすれば明らかになることです。面接の時点で説明してしまってストレス体感度合いや、価値観を見抜く方が懸命です。

 面接で自社にとって良い人材か、悪い人材かを見抜くためには、自社に合うかどうかを判断するに尽きるのですが、そのためにはまず面接官自身が自社を改めてよく理解することが大切です。自社について自分自身がどう感じているか、経営者や社員がどう思っているか、競合他社と比べてどうか、理念や企業文化を自分自身で評価してみましょう。その上で、自社に合う人材を明確に定義し、客観的に評価することで人材の良し悪しを瞬時に見抜くことができるようになるのではないでしょうか。

●竹本幸史● 元㈱リクルート岡山支社長。現在は人材育成を主としたコンサルティング業務の㈱SWITCH WORKSを立ち上げ奔走。またリーダー養成スクール「法人会員制・定額制ビジネススクール」を開講中

本誌:2020年6月1日号 11ページ

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