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連載記事スローライフ~午後4時の窓辺から~

終息しないウィルス禍に思う

 1月中旬ごろ中国・武漢市の海鮮市場から発生したと言われる新型ウィルス感染症が瞬く間にアジア、中東、欧米を中心に世界規模の大惨事になるとは夢にも思いませんでした。この前代未聞の災厄に前兆がなかったかといえば実はあったのです。

 毎年正月にお参りする吉備津彦神社の拝殿脇に「令和2年八方塞がり表」という立看があり、昭和23年生まれの私も当たり年だと知りました。いかに善男善女といえども10歳、19歳、28歳……とおよそ10年に1度は八方塞がりの年に当たるのです。もちろん神様もそこは商売、「八方除け」のお守りを買ったり祈祷をしてもらうなど災厄から逃れる道はちゃんと用意されています。

 お守りは1000円、祈祷は確か5000円からだったと記憶していますが、安価なお守りで済ましたのが大間違いだったとすぐに思い知りました。今まさに八方塞がり! 武漢発新型コロナウィルスの悪意に満ちた感染パワーは「八方塞がり」当たり年の男女を恐怖のどん底に突き落とすだけでは満足せず、全年齢、全民族、全世界の人々に感染症の危険と社会経済的損害を与えています。

 3月13日現在、ほぼ全都道府県に新型コロナウィルス感染症が広がっているなか、岡山県ではPCR検査で陽性になったケースの報告はありません。一瞬「遂に岡山でも」と思った倉敷在住の方が高知県で陽性確認された例は岡山県ではなく高知県の統計にカウントされ、また倉敷の関係先でクラスターが発生することもありませんでした。

 こうしてみると確かに今回の事態は「八方塞がり」そのものであるにせよ、県内では感染がほぼ抑えられているのは冷静な県民と当局の努力のたまものでもあるし、神様も応援してくれている証拠だと思います。

 長期間船内に旅客とクルーを閉じこめたダイヤモンド・プリンセス号のときは欧米から対応のまずさをボロクソに言われ、またPCR検査実施のハードルの高さが多くの感染症の専門家から批判されましたが、結果的には、今のところ医療崩壊を起こさず重篤な患者がきちんとした治療を受けられる環境が維持されているのはさすが日本です。

 命さえあればスポーツイベントや学校行事の取りやめなど後々「そんなこともあったね」と、笑って話せる日が来るに違いありません。

本誌:2020年春季特別号 15ページ

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