連載記事杉山慎策の経営学考察
山田方谷7
多くの研究書は方谷を「財政の巨人」「財務の教科書」などと形容することが多い。ここで「財政」とは何かを再度明確にしておきたい。財務省は「財政」を次のように定義している:
「私たちが健康で豊かな生活を送るためには、国や地方団体に、学校教育や医療など、
様々な「公共サービス」を提供してもらう必要があります。しかし、国などが公共サービスを
提供するにはお金が必要です。そのためのお金を国民みんなが出し合って(税金)、みん
なの生活に役立つことに使っていく活動を「財政」といいます。」
つまり、豊かな生活をするために社会の構成員(含む企業や個人など)から税金を集め、それを社会の為に使用することを「財政」と言う。現在日本の歳入は少子高齢化のために大きく不足し、特にバブル崩壊後「鰐の口」と言われるように歳入と歳出のギャップが広がっている。このギャップは公債により埋められており、その累積債務はGDPの2倍を超えている。主たる原因は年金や医療費などの社会保障費の増大にある。いずれにしても、「財政」は方谷の言葉を使えば「ことの内」のことである。
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