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連載記事なんでもQ&A[生命保険]

遺留分

 Q 2018年の民法改正で、遺留分に関して変更があったようですが、どのような内容ですか?

 A 遺留分を侵害された場合、改正前の「遺留分減殺請求権」は、遺留分を侵害することになった財産(不動産など)そのものの返還を求める権利でした、これを「遺留分侵害額請求権」へ変更し、遺留分侵害相当額の金銭を請求できる権利としています。

 ■遺留分侵害額請求権への変更 改正前は、「減殺請求権」の行使により、減殺対象となる目的財産の一部返還を求めることになり、目的財産が不動産などの場合は一部返還は困難なため、問題が発生することがありました。改正法は、「減殺請求権」を「遺留分侵害額請求権」に改め、権利者が端的に侵害額相当を請求できる権利としています。この場合、侵害者は、侵害額相当の現金を用意しなければならないことになります。しかし、直ちに準備できない場合も想定されるため、この支払について、裁判所は相当の期限を許容することができるものとしました。侵害者となる可能性がある場合には、侵害額相当の現金があると安心です。

 ■遺留分算定方法の見直し 改正前は、特別受益に該当する生前贈与は、原則すべての機関の贈与が遺留分算定のための財産の価格に含まれていました。そのため、例えば事業承継での自社株の贈与について、20年以上経っていても特別受益として持ち戻されることがありました。改正法は、これを原則として相続開始10年間なされた贈与のみが対象になると限定しました。これにより、相続対策などでの贈与について、使い勝手が向上したといえるでしょう。なお、相続人以外への生前贈与については変更なく、相続開始1年以内のもに限り持ち戻されます。

 ■生命保険の活用 遺留分侵害額相当の現金の準備には生命保険が適していることを訴求する。受取人固有の財産となる生命保険金を活用する。⇒遺留分侵害者等を死亡保険金受取人とする。贈与資金の有効活用として生命保険を利用する⇒納税資金や代償分割資金等として確実に遺す。

本誌:2019年11月18日号 25ページ

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