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連載記事人材育成のタネ 63

管理者としてのマネジメントの基礎

  • 竹本幸史氏

 マネジメントの基礎について正しく理解していなければ、自身に求められる役割を認識することはできません。認識できていなければ、自身の評価のみならず、他者の成長にもつなげることができません。今回はマネジメントの基礎について取り上げたいと思います。

 マネジメント(管理)の本質は「人を通じて仕事の成果を上げる」ことで、この行為がプレイヤーと管理者とを大きく分ける点です。自分自身の担当業務を持つ管理者(プレイングマネージャー)が増加しているとはいえ、この点は変わりません。具体的に管理者には以下の3つの役割があります。①組織の方針や目標を定め、その目標実現に向けて業務が前に進むように最適な判断を行う。②部下一人ひとりの育成責任を負い、業務の任命、日常の関わりを通して部下に成長を促す。③他部署や社外と関係を作り、自部署との連携を促進する。

 上記の役割を実行できるようになるために、管理者はマネジメント経験を積みながらスキルを高める必要があります。その前提として、管理者はまず以下の3つからマネジメントの全体像を理解し、基礎的な力を身に着けておかなくてはなりません。

 1つ目は管理者の役割の理解です。役割認識が不足すると、管理者としての適応がうまく進みません。一般的に管理者になる人は、現場で高い業績を上げる方法に習熟しており、管理者としても仕事の成果を上げることを優先しがちです。そのため、長期的な部下の育成やキャリア支援などの意識が欠落すると、部下からの信頼低下や部下の成長不足による長期的な業績低下といった問題が起こる可能性があります。管理者は、業績を上げることだけが求められている訳ではありません。改めて何を求められているのかを上司と部下の視点に立って考えてみましょう。

 2つ目は、マネジメントの基本プロセスの理解です。会社固有の業務プロセスを理解するのはもちろん、マネジメントを機能させる上で必要なプロセスを理解しておくことが重要です。組織の運営方針・計画を作った上で、個々の仕事を設計し、メンバーに割り当て、進行をコントロールするというマネジメントサイクルと、各段階で何を意識し、何を実行すべきかというポイントを理解しておかなければなりません。

 最後は、管理業務知識の習得です。管理業務を進める上での最低限の知識として、部下の育成手法、評価の仕方、コンプライアンス、メンタルヘルスなどを学ばなければなりません。今までの指導法だけではなく、法令および社内の人事制度に合わせて、知識をアップデートしていく必要があります。その時代や部下に対して対峙できる管理者の武器。それが新たな知識の獲得です。これをおざなりにしては、いつまでも我流のままで自己成長が止まってしまいます。上司が成長するからこそ、部下も成長するのです。

●竹本幸史● 元㈱リクルート岡山支社長。現在は人材育成を主としたコンサルティング業務の㈱SWITCH WORKSを立ち上げ奔走。またリーダー養成スクール「法人会員制・定額制ビジネススクール」を開講中

本誌:2019年3月4日号 11ページ

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