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素敵な食事を楽しむためのマナー

 振り返れば、フィニッシングスクールを開校して10年以上の月日が経過致しました。思えば、このように辛口のコメントを執筆するにあたり、とても緊張をしたことを思い出します。

 そのような時期に依頼がある内容は、男性の多い異業種のお方の勉強会で、貴方様と同様の年齢やお立場であろうお方に対して、ダメ出しをすることでした。いかにも、わたくしが貴方様を叱っているように思えますが、実は世の中の女性陣や、貴方様に対して、意見を述べることのできない立場の男性からの言葉だったのです。その頃のメモ書きを、今、懐かしく眺めております。

 ・名刺を舐めないで(貴方様自身の名刺をお相手にお渡しになる時に、舐めた指で名刺を下さる行為のことです)。

 ・テーブルナプキンをお腹に挟まないで(テーブルナプキンをお膝に置くとついつい落としてしまいがちであっても、テーブルナプキンをズボンに挟むのはやめましょう)。

 ・周囲がフリュートグラスで飲み物を飲んでいる時に場違いの飲み物を注文しないで。

 ・グラスに汚れをつけないで(お料理を食べた唇の脂分をグラスに付けないように、お口をテーブルナプキンで拭く習慣をつけておきましょう)。

 ・カトラリーを片手持ちしないで(フォークのみでお食事可能な時も、フォークとナイフ両方を持ってお食事をしましょう)。

 ・取手のついているスープを持ち抱えないで(フォーマルなお席では、取っ手のある食器の場合もスプーンを使用しましょう)。

 ・テーブルの上をパンくずだらけにしないで(パンはパンのお皿の上でちぎって下さい)

 テーブルマナーの実践教室を貴方様のお立場のお方、50名様で行った時のことです。

 貴方様:「これは、この方法で良いよね」

 お隣りの貴方様も:「この方法だよね」

 貴方様の今までの成功の秘訣は、前向き極まりなく周囲を気にせずご自身が正しいと信じてやまないことに尽きるのでしょう。大変尊敬できます。わたくしのお行儀教室の説明をお聞きになっていらしたはずですが、間違った内容(お行儀の悪い方法)を堂々となさるのです。

 「人を指摘することが一番のマナー違反」と思っておりましたわたくしは、お立場ある貴方様に対して、「その方法はお行儀の悪い方法です!」と、本誌コラムのように叱咤できず、やんわりとお伝えを致しました。

 「わたくしとのデートの時はお控え頂きたいと思います」

 すると、貴方様へは、全く社交辞令は通じませんでした。皆さま、お得意そうに、お行儀の悪い方法を貴方様中心に、右ならえでなさっているのです。わたくしのお伝えの仕方が悪かったと、マナー講師として反省しつつも、わたくしは、貴方様をそれ以上に指摘することはなかったのです。初々しい気持ちを持っていたわたくし自身を懐かしく思います。

 「貴方様、ダメですよ」。わたくしが本誌でお伝えしております内容は、基本中の基本の内容のみです。マナー研修でフィーが発生する以前の簡単な内容なのです。お立場ある貴方様ならば、当然のごとくスマートにこなして頂くべきです。次回、お会いする時は、素敵にお食事を楽しみましょう。

本誌:2017年11.20号 21ページ

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