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栄養学礼賛

 私はこれまでの人生でずっと栄養学という学問に関してずいぶん懐疑的でした。とりわけ管理栄養士と呼ばれる病院のおばちゃん達(失礼!)、例外なく自信たっぷりな口調で肥満に悩む病客様を諭します。

 「あなた、何気なく食べているショートケーキにどのくらいのカロリーがあると思います? 366キロカロリーもあるんですよ! このカロリーを消費するためにはウォーキングなら137分、水中ウオーキングなら103分も続けなければならないのよ。あなた運動なにもしてないみたいだからこれはそのまま体脂肪に積み増されます!」……と情け容赦ありません。

 私は反論したくなります。そもそもなぜ私が食べたショートケーキが366キロカロリーぴったりだと断定できるのか、素材もいろいろ、カットの大きさもいろいろ、消化吸収能力も人それぞれ、消費するための運動にしても分の単位まで断定してしまう管理栄養士の皆様の思い切りのよさには感嘆・失笑です。

 これは学問ではなくお告げみたいなもの。その証拠に大食漢タレントのギャル曽根のスリムな体型はどう説明するのだろう?…… と、いままでダイエットに一度も成功したことのない私は管理栄養士様に対しまったく敬意を感じないまま「ハイ、ハイ」と聞いていました。ところが定期的に通っている大学病院の内科医から「今のままならあなたはいずれ脳出血か心臓で命を落とします」と叱られ、栄養指導を受けることになりさっそく宿題が出ました。

 宿題とは毎日の食事の内容を記録用紙に書いて次回受診日に提出すること。用紙に手書きで書くのも大変なので自分でエクセルで計算表を作成。1日の飲食すべてを記録し、ついでにカロリー明細と合計も記入。食材のカロリーはそれこそネットで簡単に調べられます。やりだしたらエクセルの操作そのものも面白くてすでに1週間続いています。そして今まで軽蔑していた栄養学が案外“ハマる”性格の奥深い魅力を備えているものだと目を覚ましました。

 1日の食事量を基礎代謝量以下に押さえた結果、いままでびくともしなかった体重が何と徐々に減少しているではありませんか! やはり栄養学は根拠ある数値を出していると実感しました。次回の管理栄養士先生との面会が楽しみです。

本誌:2017年8.21号 15ページ

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