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[知的財産]他人の商標登録を阻止する方法

 Q 弊社が以前から使用している未登録の商標を、他社がほぼ2カ月前に商標登録出願したことを出願公開により知りました。何としてでも、この他社の商標登録を阻止したいのですが、どのような方法がありますか。

 A 貴社が以前から使用している商標でも、他社の出願が特許庁の審査を通過し商標登録されると、原則的には、貴社の使用が禁止されます。このため他社の出願について、登録されるべきではない理由がないか早急に検討し、その理由があれば、それに関する情報を特許庁に提供(情報提供)することで、審査において他社出願の登録を拒絶してもらうべきです。

 情報提供は、誰でも、そして匿名でも可能ですので、貴社名又は匿名で行うことができます。情報提供により提供できる情報は、他社の商標登録出願に係る商標が、①自他商品又は役務(以下、商品等)識別力を有さない等(商標法第3条)、②他人の周知商標と同一又は類似の商標であって、それと同一又は類似の商品等に使用するものであること(同法第4条第1項第10号)、③他人の登録商標と同一又は類似の商標であって、その登録された商品等と同一又は類似の商品等に使用するものであること(同項第11号)、④他人の商品等と混同を生ずるおそれがある商標であること(同項第15号)、そして⑤他人の周知商標と同一又は類似で不正の目的をもって使用をするものであること(同項第19号)等を含みます。

 ご相談の例では、貴社商標は未登録とのことですので、貴社の使用により周知になった可能性を考え、まずは上記②の同項第10号をご検討になってはいかがでしょうか。この規定の適用には、他社出願時において、貴社商標が周知(需要者の間に広く認識されていた) であったことを貴社が立証する必要があります。このためには(a)商標の使用数量(生産数、販売数等)、使用期間及び使用地域、(b)広告宣伝の方法、期間、地域及び規模、(c)商標の認識度を調査したアンケート結果等によることが考えられます。

 情報提供は、特許庁に係属している出願であれば可能ですが、提供した情報に基づいて、特許庁の担当審査官に審査段階で出願を拒絶してもらうことが目的ですので、他社の出願の審査時期までに担当審査官に情報が確実に届くようなスケジュールで提出することが重要です。

本誌:2016年8.22号 25ページ

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