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年下に対する敬語

 私は高倉健さんに、直接お会いしたことはありません。しかし、高倉健さんを何度も思い出すことがあります。

 私が今よりずっとずっと若い頃、皆さまご存じの全国的に有名なホテルの支配人に個人的に教えて頂いた内容です。「自分より年下の人に対してもちゃんと敬語が使えるように。貴女が、おばあちゃんになった時もずっとね」と、アドバイスを頂きました。

 当時の私は、その支配人に興味本位の質問をしてみました。「ホテルのスタッフみんなに好かれている有名人は?」との私の質問に、一瞬お困りになったでしょうが、お答えくださいました。

 「みんな、素敵だよ」の前置きの後のお答えは、「高倉健さん。ホテルのドアマンにも、若い女性スタッフにも、ホテルの中の役職ある人にも、みんなに同じように。“ありがとうございます”を言ってくれる人だからだよ。ご自身より若いスタッフに対しても、ありがとう。でなく“ありがとうございます。”と言ってくれるから。みんなに愛されている」と、教えてくださいました。私は、どんなにおばあちゃんになろうとも“ありがとうございます。”と丁寧に若い人に言える、おばあちゃんになりたいと思いました。

 年始には、ホテルを利用することが、お立場ある貴方様は特に多いことでしょう。私は見てしまいました。“俺様”のことは、ホテルマンは知っていて当たり前である。と言わんばかりのお顔をなさっている貴方様が、「○○の会場は何階?」と、ホテルマンに尋ねていらっしゃいます。

 きちんと、人に物を尋ねる時は、せめて「何階ですか?」と、尋ねなさいと貴方様に教えてくれる人はいません。ただし、横柄な聞き方をなさっている貴方様に、気が付いている人々はいらっしゃることでしょう。そして、教えてもらったら、“ありがとうございます”とちゃんと伝えましたか?と、貴方様を叱ってくれる人はいません。

 我がもの顔で、会場に登場し、横柄な態度を続けるタイプ?それとも、相手により使い分けをなさり、礼儀正しい貴方様に変身なさるタイプでいらっしゃいますか?どちらにしても、恥ずかしい行動です。「あ~恥ずかしい。」他人事ながら、見ているだけで見ている方が穴があったら入りたいと思う一場面でございました。他社のスタッフさんは、貴方様のスタッフさんではありません。大人として恥ずかしくない対応をしましょう。

 立食のマナー、洋食のテーブルマナーなども ひと通り身に付けておくことは、お立場ある貴方様にとりましては、必須条件であることはいうまでもありません。それ以前の問題で、今日から、貴方様より50歳若い人にもお礼の言葉は、必須と心しておきましょう。 

 決して、貴方様の行動をこっそり拝見していたわけではございません。架空の人物のお話しとしておくことにいたしましょう。岡山県内のホテルのお話しでもございません。

 次回、素敵な女性とお食事をする時は、お皿をサーブしてくれるスタッフさんに、お料理ごとに“ありがとうございます。”と伝えることができる貴方様でいらっしゃいますように。2時間のお食事時間に、10回以上を目標になさってください。おおげさなことではありません。当たり前のテーブルマナーの基本中の基本です。3歳の男の子からできる、紳士の心得です。ぜひ、お孫さんにも伝授できる、素敵なおじいさまでいらっしゃいますように。心より願っております。

本誌:2016年1.25号 19ページ

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