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岡山市立図書館網の充実を

 岡山県立図書館が開館以来何年にもわたって貸出冊数日本一というニュースをよく聞きます。岡山市郊外に住んでいる私も一番よく利用する図書館は県立図書館ですが、別の観点からいうとこれは身近な存在であるべき市立図書館の貧弱ぶりを実証していることに他なりません。

 とりわけ岡山市西部に位置する吉備、福田、妹尾、藤田地区は図書館真空地帯です。1970年ごろに旧岡山市と合併したこれらの町村にはもともと公立図書館がなく、合併後も図書館が新設されることなく現在に至っています。

 これは相当異常な状況です。たとえば広島、新潟、さいたま、東京の区部といった岡山市と同程度の行政単位内において中央館以外に地域館が10数館以上設置されています。歩いていける距離に図書館があることが一つの基準になっているので、小学校があるところには図書館もあるというのが大都市の常識です。

 なぜ岡山市に図書館が少ないのかというと、①先ほども触れたように合併前から町村に図書館がなかった②元の町村の利益や便宜を代弁する市議会議員がいない、議員に問題意識が欠如③市長が図書館の充実を行政課題として認識していない、気にもとめていない④住民が図書館設置を強く要求していない、などが思い浮かびます。これら4つの要因に主従関係はなく、すべてがからみあってどうにも動けないのが現状ではないかと思います。

 実際問題として、私は車が運転できるので県立図書館まで出かけることができますが、もし公共交通機関を使うとなると、もよりの駅まで歩いて30分、JRで10分、電車で10分、徒歩10分と非現実的な利用のしにくさです。ましてバス路線しかない市立中央図書館は車がない人のアクセスは絶望的です。

 遠隔地の住民にとって豊富な資料をもっている県立図書館から本を借りる窓口としても市町村図書館は機能しているのですが、岡山市の図書館真空地帯の人にとっては何の役にも立ちません。立派な図書館を持っているお隣の早島町がうらやましい限りです。

 さらに岡山県西部の市町村は行政の垣根を取り払ってどこの住民でも相互に域内図書館を利用できるのですが、岡山市の図書館難民はこのシステムも利用できません。岡山市には何とかしてほしいものです。

本誌:2015年11.23号 21ページ

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