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連載記事人材育成のタネ 17

人材育成という課題はなくならない?

  • 竹本幸史氏

 人材育成という課題が企業から消えることはありません。創業期、成長期、安定期など企業の成長ステージごとに必ず何らかの課題がでてきます。では、なぜなくならないのでしょうか。

 それは人材育成という問題がとても複雑な問題だからです。例えば、対人関係上の問題に遭遇したとき、相手の不快な言動をやめさせたり、それから逃れたりするために、相手を分析し積極的にコミュニケーションをとったり、逆に距離を置いたりします。もちろん、そのような努力によって問題が解決することもあるでしょう。しかし、何をやっても事態が思うように好転せず、泥沼にはまってしまうこともあります。

 このような状況のときは、まず、現状の問題が「煩雑」な問題なのか、それとも「複雑」な問題なのかを見極めることが重要です。煩雑な問題のことは「ジグソーパズル型の問題」と呼んでいます。これはジグソーパズルのように手間が掛かるものの、ゴールが明確であり、問題を分解し役割を分担しながら一つ一つ積み上げれば前進できるものを指します。それに対して複雑な問題を「ルービックキューブ型の問題」と呼びます。これは6面の色がそろっていることは明確なのに、それに対して取り組んだことが必ずしも前進するとは限らない問題を指します。つまり、全体の目標を目指して取り組んだことが、予想外の影響を与え、結果的に目標達成とは逆の方向へ進んでしまうことにもなることです。

 人材育成も、部下に対して良かれと思った行動が思ってもいない結果につながることがよくあります。間違った行動をとらないために重要なことは、自身の経験だけではない「部下育成における理論」を十分に理解しておくことが必要です。過去の経験値だけでは、問題がさらに肥大化してしまいます。ルービックキューブはその構造を理解しない限り、6面がそろうことはありません。人材育成における構造理解を改めて、考えてはいかがでしょうか。

●竹本幸史● 元㈱リクルート岡山支社長。現在は人材育成を主としたコンサルティング業務の㈱SWITCH WORKSを立ち上げ奔走中。くらしき作陽大の非常勤講師も務める。またリーダー養成スクール「法人会員制・定額制ビジネススクール」を開講中。

本誌:2015年GW特別号 17ページ

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