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席順のマナー

新入社員を迎える企業様も多い季節になりました。きっと新入社員の皆さまは、初めてのビジネスマナーについての知識を一生懸命学んでいらっしゃることでしょう。

実際にあり得るお話しです。「社長が一番、マナーができていなくて恥ずかしい。先生からどうにか言って下さい」との従業員の言葉です。

貴方様がお行儀以外の項目について、どれだけ他の方々よりも長けていらっしゃるかを、お話しするのは言うまでもございませんが、しかしながらフォローにも限界が来る日があるかもしれません。貴方様にとっては「どうでも良い」ことかもしれませんが、周囲の社員から致しますと、小さな失敗で、かなりの失礼にあたっていると緊張がかさむものなのです。

例えば、貴方様は、お座りになる場所を考えていらっしゃいますか。適当に座っていらっしゃいますか。もしも、適当に座っていたならば周囲はかなり気を使っていることがあることにお気づき下さい。

・タクシーの上座は運転席の後ろです。

 助手席の後ろ側のドアが開き、「どうぞ」と貴方様の言葉。 運転席の後ろに乗るには助手席側から移動しなければならないのが億劫でもあるので、 ふと先に乗って欲しくて声をかけたその言葉。

 貴方様に「どうぞ」と言われても、マナーの基礎の基礎である運転席の後ろが上座である。との知識を得ている新人さんには、貴方様に対する思いやりの機転は利きません。 貴方様の言葉にどう対処すべきか戸惑うばかりです。

「乗りづらいので、後から乗りたい」こと、せめて一回目は教えてあげて欲しいのです。

きっと、機転の利くそのお方。次からはマナー基礎本の通りではなく、そのような事も念頭において、取引先の方々にも思いやりのある、ワンランクアップしたご案内ができることでしょう。

・新幹線は窓側が上座です。 

  通路側の方が、トイレにも行きやすいですし、携帯電話が鳴った時にデッキにも移動しやすい。貴方様のお気に入りは通路側であるかもしれません。しかし、ここでも貴方様が勝手に通路側に座ってしまうと、周囲の方々はあたふたと、その失礼を気にかけなくてはならず、貴方様をさしおいて、上座に座っていることが何とも居心地が悪いのです。

 ここでもまた、貴方様の思いやりで、その旨ご理解の上、一言思いやりの説明を添えて下さい。

・新幹線は進行方向が上座です。

ボクッス掛けにしている時は、進行方向に向かう席が上座ですので、進行方向に向かう席の窓側にすんなり座っていただけますと有難いのです。

・エレベーター内では、操作版から一番遠いところが上座です。
操作盤の操作は案内役の係です、案内役は貴方様がエレベーターの乗った後に乗りますので、貴方様がエレベーター内に乗った瞬間、操作盤の前にお立ちになりボタンを押してしまうのは、大きなお世話なのです。エレベーター内の上座を把握し貴方様がお立ちになるべき位置にお進みください。

・長いテーブル → 各側3名以上でテーブルにつくとき → 中央が上座 です。

あらあら、一番奥が上座と間違えて端っこにお座りになって頂いては、周囲の方々はまたまた困ります。貴方様の代わりに真ん中にドンと座ってしまうことになった人は、どんなに居心地が悪いことやら。ご自身の位置をしっかり把握して席につきましょう。

・窓から庭園や美しい夜景を望む場合 → 入口に近い側の席であっても上座 

 もてなす側は周囲の人々が、貴方様のお座りになる場所をスムーズにご案内しない事にも問題はあることでしょう。しかしながら、我が物顔で素早く間違えて座った貴方様に誰もお声はかけられないのです。貴方様のお立場を気にかけて下さっている皆様にちょっとした思いやりとして、上座を把握しましょう。

・ソファー → 一人でゆったり座れる一人掛けソファーはもてなす側が座ります。

 勿論、貴方様は長いソファー側にお座り下さい。小さなお子さまならば、抱っこして席を変えることができますが、お立場ある貴方様が一端お座りになったお席をお立ちいただくのは、誰しも遠慮をするところです。

周囲の人々が申し訳なさそうにしなくて良いように、貴方様自身が上座を知っておくことは思いやりの一つではないでしょうか。
とは言え、貴方様が、一番座りたい場所が、上座であることを申し添えます。

河村まどか
礼儀作法教室ドルチェ・フィニッシングスクールを主宰。岡山、山口に教室を持つほか、企業研修など全国で出張レッスンを開催。ホームページはhttp://dolce-fs.net メールアドレスはinfo@dolce-fs.net

本誌:2015年3.16号 19ページ

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