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脚気(かっけ)とサプリ

 長年親の介護をしながら自覚することのひとつに自分自身の体力の衰えがあります。数年前から大腿四頭筋やふくらはぎに強度の脱力感があり、畳から立ち上がるのも一苦労になりました。特にこの季節にそれを強く感じます。「よっこいしょ、どっこいしょ」と声をかけながら、母のベッドの柵に両手でしがみつきながら起き上がる始末です。

 脂質異常症で毎日服用している薬の副作用情報に“ミオパシー”などという耳慣れない言葉が記されています。横紋筋が融ける症状のことらしい。「これに違いない!」 薬を処方してくれている医師に不安を訴えたら「私の患者さんでそんな副作用が出た方はいないですけどねー」と笑われました。

 薬のせいでないのならこの脱力感は老化によるものとして諦めるしかないかと思っていた矢先、あるテレビ番組で“江戸患い”のことが取り上げられていました。地方武士が江戸勤番になると体面上白米を食べ脚気にかかっていた、江戸でソバが好まれたのは脚気に効いたからだとか。

 その番組を見て「これかもしれない」と思いました。大好きだった野菜料理は1人分の調理をするのが面倒でこのごろ朝は喫茶店のモーニング、昼はハンバーガー、夜は牛丼のような高カロリー、貧栄養生活が長く続いています。いまどき脚気だなんてという気がしないわけではなかったのですが、試しにスーパーのレジ近くに置いてあるサプリメントの総合ビタミン剤を買ってみました。

 結果は吉と出ました。医学的な因果関係は分かりませんが、ビタミン剤を飲み始めて数日したころからさっと立ち上がれるようになりました。また、両親は今ではどちらも自力ではまったく足に力を入れることができないので、介助するとき一瞬ですが50㎏近い無力な体を両手で持ち上げなければなりません。これも楽にできるようになりました。

 ちまたにはトクホ(特定保健用食品)やサプリメントがあふれかえっていますが、使用して効果を実感した経験はありません。でもこのビタミン剤は効いたような気がします。江戸の侍のようにビタミン不足をソバで補うと相当な量の糖質をとることになり肥満がいっそう増悪する恐れがあります。おしっこが黄色になる副作用はあるのですがサプリも捨てたものではないですね。

本誌:2014年6.16号 17ページ

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