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発酵食品づくりの楽しみ

 私は幼いころから発酵食品に興味がある変な男の子でした。小学校4年のころ、「稲わらには納豆菌がいて大豆をゆでたものを藁包(わらづと)に包んでおくと納豆ができる」と子ども向けの百科事典に書いてあったのでさっそく試したことがあります。見事に失敗しました。

 百科事典の記載としては間違っていなかったのですが、細かな手順やコツ、ノウハウといったものが書かれてなかったのです。確かに稲わらには納豆菌が寄生しているものの数は非常に少なくそんなものでは納豆はできないこと、また納豆菌はかなりの高温に耐えることができるのでゆでたての触れないぐらい熱い大豆に納豆菌を仕込む必要があることなど一番大切な情報が抜けていました。

 家にじいさんばあさんでもいたら伝統食品の作り方を伝授してもらえたのかもしれませんが、我が家は核家族のはしりのような家庭で孤立無援。発酵食品がうまく作れるようになったのは大人になってからでしたが、大人の知恵でもってかかれば発酵食品づくりはとても簡単でした。ぬか漬け、たくあん漬け、白菜漬け、キムチ、奈良漬け、ヨーグルト、オリーブのピクルス、アンチョビなどなど。

 そしてこの冬遅ればせながら生まれて初めて味噌づくりに挑みました。テレビの料理番組で大豆500gで作ると作りやすいと紹介されていたのを見て、これならできそうという気がしたのです。材料は大豆のほか、米糀(こめこうじ)500g、食塩250gだけ。

 大豆を一晩水にかして、翌日ナベで柔らかくなるまで煮て、糀と塩を混ぜ、煮上がった大豆とミックスし、容器にぴっちり詰め込み重石をしてあとは夏が来て冬が来るのを待つのみです。

 仕込んでからまだ2カ月しかたっていませんが、きょうホウロウ容器を開封してチェックしてみました。2カ所ほどわずかにカビが生えていたのでそれらを除去しついでに未完成の味噌をなめてみました。すでにまろやかな味の味噌になっていました!これから気温が高くなるにつれてどんどん熟成していくのでしょう。

 人間が働かなくても微生物がいつの間にか絶妙な食品を作ってくれます。次は醤油を作ってみたいと夢を膨らませているところです。

本誌:2013年4.1号 13ページ

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