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安倍景気

 自民党に政権が戻って以来この3カ月間一本調子の円安・株高が続いています。安倍首相は日銀に対し強引にインフレ目標を押しつけ、白川日銀総裁は中央銀行に対する政治介入に抗議する意図を込めてか、任期を残したまま安倍さんに辞表をたたきつけました。その結果を受けて今日の株価は一段高になりました。

 私はこんなことを書きながら内心はらわたが煮えくり返る思いにとらわれています。自分に対する怒りなのでどうしようもないことですが……。

 民主党政権下で塩漬けにしていた持ち株がアベノミクスの掛け声とともに上昇し始め、1月末にはついに評価益が出る段階に達しました。人間って弱い存在ですね。大赤字を出しているときはあきらめ半分とはいえ"くそ株"に愛着さえ感じて冷静に保持できていたのに。

 ところが何年ぶりかで利益がでる株価水準になったらどこからともなく「当面の利益を確保しておこう」という衝動が沸き起こり、潔く全部売却してしまいました。

 その後予想通り少し下げてきたので買い戻しを図ったのですが、1円の差で株価が反転。売った価格より高く買い戻すのも腹がたつし、明日下げたら買おうと思っていても、これが下がらない。仮に下げたら下げたで「今買うのは高値掴みになるのではないか」という恐怖にかられて、パソコン画面の「買」のボタンを押すことができません。つくづくギャンブルの才に欠けています。

 でも相場に関しては、生涯負け組に甘んじている素人投資家と証券会社のストラテジストやらアナリストなどと称している連中との間にどんな差があるというのでしょう。

 ただひとつ違うのは失敗に対し個人は責任を取るけれど年金運用で何兆円もの損をこうむっても役人や投資会社は知らん顔、巨額損失はそのまま国民に転嫁するだけ。今回の株高で年金財団は少しは儲かっているのか年金生活者としては気になるところです。

 ともかくバブル崩壊以降の失われた20年がようやく本格回復するきざしを見せてきました。いまの株価は"外人買い"に支えられてのことですが、株価暴騰に踊らされた個人が遅ればせながら買い出動して彼らの餌食にならなければいいが、と心配にもなります。(2013.2.6)

本誌:2013年2.18号 13ページ

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